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余録

「いみじう暑き昼中に」--とんでもなく暑い日、清少納言は何をしたか…

 「いみじう暑き昼中に」--とんでもなく暑い日、清少納言(せいしょうなごん)は何をしたか。枕草子は「氷水に手をひたし、もてさわぐ」、つまり手を氷水につけたり、氷を持ったりして、仲間同士ではしゃいでいたと記す▲冬に氷室に貯蔵した氷を用いていた平安貴族だが、その使用量は宮廷全体で年間80トンにのぼった。当時にすればぜいたくな話である。枕草子は削り氷に甘い汁をかけたスイーツも「あてなるもの(優美なもの)」の一つに挙げている▲平安時代が地球の温暖期だったのにも触れ、小欄が近年の暑さをぼやいたのは5年前の猛暑の時だった。この時の高知県四万十(しまんと)市の41・0度が日本の観測史上最高気温となったが、案の定というか、それを更新した今夏の酷暑だった▲きのう埼玉県熊谷市で記録した41・1度である。ついでながら日本最低気温は1902年に北海道旭川市で記録した氷点下41・0度。国内気温の上限と下限がプラス・マイナス41・0度という偶然の一致も温暖化であっさり破られた▲先の広域豪雨災害といい、各地で最高気温を更新し続ける暑さといい、今までの常識の通用しない気候である。「命にかかわる」がこの間の猛暑の枕(まくら)詞(ことば)となったが、このままでは人々がおりなす日本の「夏」の景色も一変しかねない▲では氷水に手をひたす清少納言の消夏法はどうか。冷水に手をひたすのは熱中症対策に有効だそうだ。だが、冷たすぎる氷水はかえって逆効果になると先日のテレビ番組で専門家が言っていたので、念のため。

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