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質問・生活なるほドリ

健康編/6 白内障ってどんな病気? 加齢で目のレンズに濁り、手術が有効 /群馬

 なるほドリ 年を取ると、白内障になる人が増えると聞きます。どんな病気ですか。

     高山 目の中にはカメラのレンズの役目を担う「水晶体」があります。元々は透明で非常に軟らかく伸縮自在で、遠くを見る時は薄くなり、近くを見る時は厚くなります。しかし、年を取るにつれて水晶体は硬くなるとともに、濁ってきます。これが白内障です。濁りの原因は、長年にわたる紫外線による酸化ストレスによるものではないかとされています。

     50代から徐々に増え始め、80代ではほとんどの人が白内障を発症していると言われています。

     加齢以外に、糖尿病やアトピー性皮膚炎、目の外傷などによっても発症する場合があります。

     Q 症状は?

     A 白内障は水晶体の濁りによって、光が入りにくくなったり、曲がって入ってきたりします。このため、初期には「霧にまかれたようになる」「ピントが合いづらくなる」などの症状が出ます。

     進んでくると、濁りの部分に光が当たって散乱することによって、夜間に車のヘッドライトがまぶしく感じたり、二重三重に物が見えたりするようになります。

     Q 治療法は?

     A 点眼薬と手術の二つがあります。しかし、点眼薬は水晶体の濁りを少なくすることはできません。進行を遅らせる効果が期待できるだけで、症状を改善させることはできないのです。

     そのため、日常生活で不自由を感じるようになったら、手術を選択するしかありません。

     Q 目の手術というと、ちょっと怖い感じがするのですが。

     A 目は麻酔がよく効くので、意外に手術は痛くありません。

     水晶体には、それを包んでいる膜「水晶体嚢(のう)」があります。手術では、その一部を切り取り、内部の水晶体を砕いて吸い取ります。

     水晶体を砕くのは超音波が主流ですが、最近私はレーザーも使用しています。手術前に目のCT(コンピューター断層撮影)でスキャンし、白内障の大きさを確認したうえで、手術に取りかかります。欧米では既に主流になっています。こちらの方が正確に手術が行え、超音波手術による角膜障害や水晶体嚢を破ったりするなどの危険性が少ないからです。

     手術はその後、水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入して完了するのですが、レンズには単焦点と多焦点の2種類があります。なお、手術時間は片目で15分前後です。

     Q 2種類のレンズは、どんな違いがあるのでしょうか。

     A 単焦点は、遠くか、近くか、どちらか一つにしか焦点を合わせられません。遠くに焦点を合わせたレンズを入れた場合、近くを見る時は眼鏡をかける必要があります。

     多焦点は、複数の焦点にピントが合うため、眼鏡なしでも生活できるようになります。老眼が改善する「若返り」のレンズですが、種類によっては、細かい字は眼鏡が必要だったり、視界の鮮明度がやや落ちたり、車のヘッドライトなどがまぶしく見えたりすることがあります。

     また、今のところ保険診療ではなく、国の「先進医療」です。この制度は、診察や薬は保険が利きますが、手術料は自費というものです。生命保険の先進医療特約に入っている方なら、手術料は保険会社から支払われます。そうでなければ自費になるので、費用面で検討が必要になります。【まとめ・吉田勝】(協力・県医師会)=次回は8月22日掲載予定


    ポイント

    (1)白内障は加齢によって発症し、50代から徐々に増える。

    (2)レンズの役割をする「水晶体」が濁り、物が見えにくくなる。

    (3)点眼薬より、眼内レンズを入れる手術をすることで症状が改善する。

    (4)眼内レンズには「単焦点」と「多焦点」の2種類ある。多焦点は自費で高額なのが難点だが、先進医療特約で無料に。


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     ■人物略歴

    高山秀男(たかやま・ひでお)

     1943年5月、沼田市生まれ。東京大文学部を経て、34歳で群馬大医学部を卒業し、群馬大眼科入局。87年、JR高崎駅前に「高山眼科」開業。93年には高崎市緑町に「高山眼科緑町医院」を開業し、現在は両医院を運営する医療法人の理事長と緑町医院長を兼ねる。日本眼科学会専門医。

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