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 <午前中に入り江の宿を出て、岬の突端に向かっている。(中略)東京から電車で二時間、九時ごろに着いた宿の表はすでに閉じていた-->

 川上弘美さんの小説「真鶴」は題名の通り、神奈川県真鶴町が舞台だ。相模湾に面した半島の急な斜面に坂道がめぐらされ、深い森も広がる。7400人ほどが暮らす港町だ。一人の女性が現世(うつしよ)と幻の間を行き来する幻想的な作品の舞台に、近くの観光地の熱海や箱根は似合わない。

 その真鶴が昨年度、神奈川県内で初めて過疎地域に指定された。

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