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社説

米EU首脳が衝突回避 ルール順守の通商交渉に

 ルールに基づいた貿易自由化を進めて対立を緩和する必要がある。

     米国のトランプ大統領と欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長が会談し、新たな通商交渉を始めることで合意した。最大の焦点だった米国による自動車への高関税発動はひとまず棚上げし、自動車以外の製品の関税撤廃などを目指すという。

     トランプ氏はEUに対する多額の貿易赤字を問題視し、保護主義策をエスカレートさせた。既に高関税を課した鉄鋼に続き、自動車にも発動すれば、EUへの打撃は大きい。

     EUは大規模な報復を示唆した。米中が貿易戦争を繰り広げる中、混乱が世界に拡大する恐れがあった。

     今回の会談でとりあえず正面衝突という最悪の事態は回避した。貿易自由化を図る方針も評価できる。

     問題は、米国が国際ルールに背く高関税を撤回していないことだ。

     EUと交渉をしているうちは控えるとしただけである。不調に終われば、発動の可能性がある。高関税をちらつかせ、米国に都合のいい譲歩を引き出す狙いではないか。

     EUは会談で米国産大豆の輸入拡大にも合意した。高関税を避けるため、EUが歩み寄ったのだろう。大豆は米国の主力農産物である。トランプ氏は中間選挙に向け、アピール材料を勝ち取ったことになる。

     自由貿易は本来、関係国が互いに市場を開放し、経済全体の底上げを図るものだ。どの国も国力にかかわらず、自由化のメリットを受けられる。そうした体制を目指し、貿易交渉のルールを定めたのが世界貿易機関(WTO)である。

     一方的な輸入制限はWTOのルールで禁じられている。それなのに自国の巨大市場をバックに高関税で相手を脅し、交渉を有利に進めようというのは超大国の専横である。

     EUは今後の交渉で米国の圧力に屈することなく、米国にルールの順守を求めてほしい。

     日本も米国と新しい通商協議を近く始める。そこでも米国は高関税をちらつかせ農産物などで一方的要求を突きつけてくる可能性がある。

     日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)で農産物市場の開放に合意している。勝手に離脱したのは米国である。理不尽な要求には応じず、TPP復帰を促すべきだ。

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