メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

パキスタン総選挙

第1党PTI、116議席 与党「不正選挙」主張

選挙結果の発表の遅れに抗議する野党パキスタン人民党の支持者ら=パキスタン南部カラチで26日、AP

 【イスラマバード松井聡】パキスタンで25日実施された下院(定数342)総選挙で、選挙管理委員会は27日、小選挙区で選ばれる一般議席272のうち、開票作業を終えた265議席について、暫定開票結果を発表した。クリケットの元スター選手、イムラン・カーン氏(65)率いるパキスタン正義運動(PTI、改選前議席31)は116議席を獲得し第1党となる一方、過半数には届かない情勢。カーン氏率いる連立政権は来月にも発足する見通し。

     選管によると、汚職罪で収監中のナワズ・シャリフ元首相が事実上率いる与党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N、同190)は64議席、故ベナジル・ブット元首相の息子ビラワル氏のパキスタン人民党(PPP、同47)は43議席にとどまった。

     342議席のうち、小選挙区で272議席が選ばれる。残り70議席は各党が小選挙区で獲得した議席数に応じて比例配分される。ただ今回は小選挙区の2議席について候補者逮捕などを理由に投票が延期になっている。

     PTIは汚職一掃や雇用創出を訴え若者を中心に支持を広げた。カーン氏は26日の勝利演説で「裕福な人のためだけの島と、貧しい人のためだけの海を持つ国は決して繁栄しない」と述べ、汚職や貧困の対策に取り組む決意を示した。また外交でも、敵対するインドとの貿易促進や中国との関係強化など、経済対策を重視するとした。ただ、政治手腕は未知数で実際に公約を実現できるか不明だ。

     一方、総選挙の結果を巡り混乱も広がる。PML-NとPPPは「投票所に派遣した監視員が当局から閉め出された」などと主張し、不正選挙だとして結果を受け入れない考えを示している。ただPML-Nのシャバズ・シャリフ党首は「野党の議席に着く」とも述べており、開票結果を認める可能性もある。

     またロイター通信によると、欧州連合(EU)の選挙監視団は27日、イスラマバードで記者会見し「(選挙は)平等性が欠けていた」とし、全政党が平等に活動できる状況ではなかったと指摘した。

     両党が不正を疑う背景には選挙戦を通じて軍がPTIを支援してきたとの不信感がある。シャリフ元首相はこれまで対インド政策などを巡って軍と対立。現職だった昨年、資産隠しに関与したとして最高裁の決定で失職。禁錮10年の判決を受け、今月13日に収監された。16日には同党メンバー約1万7000人に選挙違反の疑いがあるとして警察が捜査していることを明かすなど「狙いは与党つぶし」(地元ジャーナリスト)との見方がある。

     選挙戦では、PML-Nに対する司法当局の動きが有権者に及ぼす影響は限定的だったと見る分析もある。別の地元ジャーナリストは「多くの国民が軍のPTI支援は分かっている。PTIが圧勝するということは、国民の関心が『軍の政治に対する影響力排除』ではなく、富の一極集中や不平等な社会の変革だった」と語る。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
    3. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」
    4. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
    5. 日産会長逮捕 再建神話、地に落ち 社員に衝撃と動揺

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです