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製造ロボット

開発加速 コンビニ弁当も自動化 中食拡大/人手不足

おにぎりを搬送用ケースに詰める川崎重工業のロボット=高橋慶浩撮影

 人手不足の深刻化を受けて、コンビニエンスストア向けの弁当や総菜などの製造工場で、自動化の取り組みが広がり始めている。電機や自動車などに比べ食品関連の工場の自動化は遅れているが、需要の高まりを受けてロボットのメーカーも開発に力を入れている。【高橋慶浩、今村茜】

     2本の腕を持つロボットが、ベルトコンベヤーで流れてきたおにぎりを5個ずつ取り上げては、搬送用のケースに隙間(すきま)なく並べていく。川崎重工業が開発した双腕型ロボット「デュアロ」だ。おにぎりそのものの製造は自動化が進んでいるが、ケース詰めは人の手に頼っている工場がほとんどで、負担が重かった。デュアロは1時間に約3600個のおにぎりを処理することができる。

     別のタイプのデュアロは人の手では難しい、容器の内側に入るタイプの弁当のふたを閉じる作業をこなす。元々は機械や電子機器の製造工場向けに2015年6月に発売したが、人手不足を背景に食品業界からの引き合いが増え、年々改良を重ねている。人と一緒に作業ができ、新たな動作を教え込むことが比較的容易なことが評価されている。同社ロボットビジネスセンターの長谷川省吾総括部長はコンビニ向けの工場を回って現場の要望を開発に生かしており、「ふた閉めの作業に1日8時間当たっている人がいる。つらい単純作業から解放してあげたかった」という。

     高齢化や女性の社会進出に伴い、弁当や総菜などの「中食」市場は急速に拡大。日本惣菜協会によると、17年の総菜市場規模は約10兆555億円と10年前に比べ2割以上伸び、初めて10兆円を超えた。一方で、製造現場の人手不足は深刻化しており、自動化は大きな課題となっている。

     コンビニ業界では、ファミリーマートが、サンドイッチのパンに卵を乗せたり、具材をパンで挟んだりすることができるロボットを導入。足立幸隆中食構造改革推進部長は「特に夜間の人手が足りない。ロボット活用で工場に必要な要員を3割減らしたい」と話す。ローソンは16年に親会社の三菱商事が、神奈川県厚木市の中食製造工場に弁当の盛りつけ作業をする三菱電機製のロボットを試験導入。実用化に向けて開発を進めている。

     弁当や総菜は、商品が短期間で変更されることなどがネックになって自動化が遅れていた。日本ロボット工業会の昨年の統計では、ロボットの出荷先は電気機械が4割、自動車が3割に対し、食品関連は2%にとどまる。コンビニなどの自動化の取り組みを商機とみて、メーカーもロボット開発に本腰を入れており、安川電機は2年前に食品市場向けの専門部署を新設。総菜の盛りつけなどのロボット開発を加速している。

     ただ、「幕の内弁当の具材を一つずつ同じ場所に置くのは困難」(コンビニ大手)など、技術的な課題はなお多い。1台数百万円とされるロボットの価格も壁となり、自動化の推進には更なる技術の進化やコスト低減が求められている。


     ■KeyWord

    食品製造の人手不足

     農林水産省は2月にまとめた食品製造業の職場の現状と課題で「他業種と比べ人手不足が深刻で、労働時間も比較的長く、生産性が低い」と結論づけた。欠員率が製造業平均(1.2%)の約2倍(2.5%)に達し、月当たりの労働時間は全産業平均より7時間長い184時間だった。日本政策金融公庫の調査でも、食品製造業の約8割が「単純作業の人手が不足している」と回答した。大手コンビニチェーンなどは一定時間ごとに食品を入れ替えるため、供給元の工場は24時間稼働する。「外国人労働者がいないと生産現場が成り立たない」(業界関係者)状況だが、外国人労働者も長時間の単純作業を苦痛に感じる人が多く、人手が集まらないという。

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