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社説

休戦協定締結から65年 終戦宣言は北朝鮮次第だ

 朝鮮戦争の休戦協定締結から65年が過ぎた。1950年から3年に及ぶ戦闘で犠牲者は数百万人に上り、米兵の戦死者も3万人を超えた。

     北朝鮮には行方不明の米兵約5300人の遺骨が残されているという。北朝鮮は65年にあたる27日に55柱の遺骨を米側に返還した。

     遺骨返還は6月の米朝首脳会談の共同声明に基づく措置だ。戦没者遺族に配慮する米国が強く求めて盛り込まれた。遺骨返還は11年ぶりだ。

     北朝鮮はこれにより早期の終戦宣言を米側にさらに強く迫るとみられる。戦争状態が解消されれば米軍の軍事力行使を封じ、安全の保証にもつながる。そんな思惑があろう。

     朝鮮戦争の終戦宣言は確かに重要だ。緊張状態にある東アジアを安定化させる基盤となる。国際条約ではなく首脳間の政治的意思でできる。

     しかし、朝鮮半島問題の最大の焦点は、北朝鮮の非核化である。

     「完全な非核化」で合意した米朝首脳会談からこの約1カ月半、北朝鮮は非核化に向けた具体的な行動をとってきただろうか。

     非核化には核施設や核物質、核兵器の申告や非核化プロセスの明示が欠かせない。北朝鮮はその第一歩となる工程表の作成を拒んでいる。

     核実験凍結を北朝鮮は表明している。だが、ポンペオ米国務長官の議会証言によると、核物質の生産をいまも続けているという。

     ミサイル発射場の解体を北朝鮮が始めたとの分析もあるが、検証のため米側が要求している外部専門家の立ち会いを受け入れていない。

     これでは、北朝鮮が非核化に真剣に取り組んでいるとは言い難い。

     トランプ米政権は当初、終戦宣言に前向きだったが、具体的な非核化の進展がないとしていまは慎重だ。

     北朝鮮が自国の利益を優先させ、非核化が後回しになることを警戒しているのだろう。

     韓国は終戦宣言を通じた米朝間の信頼構築が非核化を促すと言う。だが、合意をしてもそれを破って核開発を続けてきたのは北朝鮮だ。

     核開発を温存したまま、北朝鮮が安全の保証を確保するような事態は避けなければならない。

     終戦宣言の環境が整うためには、まず、北朝鮮が国際社会が納得する行動を起こすことが必要だ。

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