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風景を歩く

富貴の詩人 辺涯の地で機関誌発行 /和歌山

奈良県五條市の聞き慣れない名前の村をさかのぼって来た。正面は富貴の鎮守の丹生神社=高野町東富貴で

 近頃、大正時代の見直しに関する出版物をよく目にする。大正デモクラシーなどともてはやされたものの、昭和の右傾化はすさまじかった。そんな大正という脆弱(ぜいじゃく)な民主主義の、その正体をあぶり出そうというのが目的のようである。

 当時、「白樺」派という文学運動の潮流があった。人道主義を掲げ、芥川龍之介に文壇の天窓を開けたと評価された。志賀直哉をはじめ、その参加者の多くは特権階級の子弟だったが、その哲学は農民や労働者などの庶民の階層にまで浸透した。影響は詩の世界にもおよび、全国各地で粗末な詩雑誌が次々にうぶ声を上げた。

 詩人吉田敏の随想「紀北詩山脈」によると、奥高野の富貴(ふき)という辺涯(へんがい)の山里にも、村政…

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