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京大iPS治験

将来的に治療費「数百万円くらい」目指す

iPS細胞を使ったパーキンソン病の治験開始を前に、記者会見する京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授=京都市左京区で2018年7月30日午後3時22分、川平愛撮影

 京都大が来月1日から始めると発表したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いたパーキンソン病の治験。高齢化の進展で年々増える全国の患者に福音となるのか。記者会見した京大iPS細胞研究所の高橋淳教授は「ようやくスタート地点に立てた。積み上げてきたものが審判を受けるという意味で厳粛な思いでいる」と語った。

 現在の治療法は、脳で不足した神経伝達物質ドーパミンを補う飲み薬が中心だ。脳に電極を埋めて電気刺激で症状を抑える方法もあるが、効果が持続しないなどの課題がある。

 治験では、ドーパミンを作る神経細胞のもとを患者の脳に移植し、症状の緩和を確かめる。患者団体「全国パーキンソン病友の会」(東京)の長谷川更正代表理事(83)は「一日も早く一般に普及することを期待している」と歓迎する。

 ただし、安全面の慎重な検討は不可欠だ。カニクイザルなどでの動物実験では移植細胞ががん化する例はなかったが、人で起こる可能性がゼロとは言い切れない。高橋教授は「万が一の場合は放射線で(がん化した細胞を)殺すことや手術も考えている」と話した。

 病状が進んだ重症患者は治験の対象外。治療費も課題だ。京大チームには企業も加わって移植細胞作製のコスト削減を図っており、保険適用を受けて治療費全体で「将来的に数百万円くらい」を目指す。大阪府の若年性パーキンソン病患者、村井雅美さん(50)は「働けない患者も多く、保険適用されない限り縁遠い治療法になってしまう」と話した。【鳥井真平、阿部周一】

山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の話

 治験開始は大変喜ばしい。研究所が提供する再生医療用iPS細胞ストックを使う初めての治験だ。パーキンソン病で苦しむ多くの患者がこの治験に期待を寄せると思うが、治験は安全性と有効性の確認が目的。一日も早く患者にiPS細胞を使った新しい治療法が届けられるように慎重かつ迅速に、引き続き研究を進める。

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