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踏み跡にたたずんで

林を抜けて海へ=小野正嗣

 途中で振り返ってはいけない。

 ただまっすぐ。迷いなく。

 そのとおりに進んだ。

 すると、こんもりと木々が現われた。立ち並ぶ黒い幹の向こうに、まばゆい光が広がっているのが見えた。光は生き物がわれ知らず発する気配のように揺れていた。強い草木のにおいに潮の香が混じった。

 その小さな林に入ると、思いのほか暗かった。ひんやりとはしていなかった。むしろ、木々のあいだに滞留する熱気は粘り気を増して首筋にまといつき、不快さが募った。さっきまで耳ざわりだった蝉(せみ)の声が気にならなくなった。

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