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社説

全国学力テスト 「考える力」を伸ばすには

 4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を文部科学省が公表した。

     例年の国語、算数・数学に加え、今年は3年に1度の理科も実施された。国語と算数・数学の問題は、基礎力や知識を問うA問題と、応用力を見るB問題が出題される。

     正答率を見ると成績上位県と下位県の差が縮まる傾向が続く。学校の指導改善が一定の効果を上げていると同省は見ている。上位県の優れた実践例を生かしたケースもあろう。

     だが、依然として応用問題が苦手な傾向は改善されていない。中学の数学はAに比べてBの正答率は19ポイントも下回る。2007年のテスト開始時から毎回指摘されている課題だ。

     国語では文を読んで内容をまとめたり、理科でも実験結果の分析内容を書いたりする記述問題が苦手だ。

     文科省は繰り返し指導の改善を促してきたが課題克服につながっていない。応用力や記述力をつける指導への転換につまずいていないか。

     基礎力や知識はドリルなどで反復練習をすれば身につくが、それを応用する力を育むのは容易ではない。

     応用する力をつけるには、子供たちが議論したり考えたりする「探究」の時間が欠かせない。記述力を上げるにも、読書の時間や文章を書かせる時間が多く求められる。

     だが、教員には余裕もなく、子供たちに基礎的な力をつける授業で精いっぱいなのが現状ではないか。

     効果的な教育の仕方が重要だ。同省は、過去10回の結果データを研究者らに提供し、分析結果を基に教育施策の検証を進めるという。カリキュラムを改革して探究型授業を取り入れたり、授業の時間配分を見直したりすることも必要だろう。

     今年度から小中学校で先行実施されている新学習指導要領では、思考力や表現力の育成が盛り込まれている。これに合わせて、子供たちの考える力や記述力を伸ばす指導法作りに力を注ぐべきだ。

     文科省は今回、結果公表を例年より1カ月早めた。学校などで夏休みを利用し、結果分析や指導改善に役立ててもらう狙いという。

     授業以外の教員の負担を減らす必要がある。文科省には教員増など支援策をさらに進めてもらいたい。

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