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社説

自民党が杉田議員を「指導」 形だけ取り繕う空々しさ

 自民党がLGBTなどの性的少数者を差別した杉田水脈(みお)衆院議員の寄稿に関する党見解を発表した。

     杉田氏がLGBTについて「生産性がない」などと寄稿した月刊誌「新潮45」の発売から2週間以上が経過している。国民の批判が高まって仕方なく対応したのだろう。

     杉田氏の寄稿に「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として「今後、十分に注意するよう指導した」という。

     寄稿内容は特定の少数者や弱者の人権をあからさまに侵害するヘイトスピーチの類いであり、理解不足などというレベルの話ではない。

     これに対し、杉田氏は「真摯(しんし)に受け止め、今後研さんに努めていきたい」とのコメントを出したが、謝罪や反省の言葉はなかった。

     見解は党のホームページに掲載されている。ただし、誰が杉田氏を指導したのかの記載はない。

     韓国訪問中だった二階俊博幹事長は「知らない」とひとごとのように語った。先月には「人それぞれ、いろんな人生観もある」と杉田氏をかばうような発言もしている。

     自民党がこの問題に及び腰なのは安倍晋三首相と杉田氏の「近さ」をおもんぱかったからではないか。

     もともと自民党ではなかった杉田氏が衆院選比例中国ブロックの名簿順位で優遇されたのは、首相の後押しがあったからだとされる。

     批判の矛先が首相に向かい始めたため、慌てて火消しを図ったようにも見える。党見解の発表は首相が宮城県を視察した当日で、同行記者団から認識を問われて「党として既に見解を表明している」とかわした。

     一連の動きからくみ取れるのは、自民党内の人権感度の鈍さではないか。多様性を尊重する世界的な潮流から取り残されているように思えてならない。その体質は谷川とむ衆院議員が同性愛は「趣味みたいなもの」と発言したことにも表れている。

     自民党は2016年参院選と昨年の衆院選でLGBTに関する理解増進法の議員立法を公約に盛り込んだが、具体化していない。今回の党見解では「真摯かつ慎重に議論」と積極的なのかどうかも疑わしい説明がわざわざ添えられている。

     批判をかわそうと形だけ取り繕うから、余計に空々しく聞こえる。

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