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プラスチック危機

廃プラ行き場失う 中国輸入禁止の影響

廃プラ輸入量の推移

 世界で輸出される廃プラスチックの半分近くを受け入れてきた中国が、国内の環境対策で昨年末から輸入を大幅に制限した影響が世界各地に広がっている。受け皿としてタイやマレーシアなど東南アジアで廃プラ輸入量が急増しているが、これらの地域では処理量に限界があり、中国同様に輸入制限の動きも広がる。中国の政策転換で、2030年までに世界で1億トン以上の廃プラが行き場を失うとの推計も出ている。

 中国は1980年代から日本や米国、欧州などが処理しきれない廃プラの受け入れを拡大してきた。原料から新たにプラスチックを生産するより低コストに抑えることができるためで、国内で分別して再加工したさまざまな製品を輸出して経済成長を支えた。16年には世界の廃プラ輸出量のおよそ半分にあたる約735万トンを受け入れた。

 同時に廃棄物の受け入れに伴う環境汚染が深刻となり、中国政府は昨年7月に生活由来の廃プラなどの輸入禁止を決め、同年12月末をもって実行に移した。中国の貿易統計によると、今年上半期の廃プラ輸入量は約2万トンで前年同期比99.5%減だ。

 代替地として廃プラは東南アジアに向かっている。世界貿易統計データベースの「グローバル・トレード・アトラス」によると、18年1~4月のタイの輸入量は22万1000トンで前年同期の7.7倍、マレーシアは44万1000トンで4.4倍となった。一方、タイでは違法輸入の増加も報告され、当局が水際で査察を強化して適切な手続きがされていないものは送り返す措置を取る方針だ。同様に輸入が急伸したベトナムでも6月、主要港で廃プラの受け入れを一時的に制限することを決めた。

 欧州連合(EU)では今年1月以降、域外への輸出量が前年の3分の2程度に落ち込んだ。残りは業者の施設などで保管されるか、埋め立てや焼却も増えているとの報告があり、リサイクル率の引き下げが懸念される。ポーランドではEU域内の英国などから輸入されたとみられる廃プラが不法に焼却された事例が報じられた。ポーランド政府は中国の輸入制限が背景にあるとの見方を示し、輸入規制の強化に動いた。

 米ジョージア大の研究チームは今年6月、科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した論文で、中国の輸入禁止により30年までに世界で1億1100万トンの廃プラが行き場を失うと試算した。使い捨てプラスチック製品の総量を減らすことや、廃棄物管理への投資など国際的に協調した取り組みが必要と指摘している。【山衛守剛、ブリュッセル八田浩輔】

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