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ストーリー

故若松監督を映画化(その1) 鬼才の反骨、今こそ

「止められるか、俺たちを」の撮影現場。脚本を再チェックする白石和彌監督(中央)と役に入り込み指示を待つ若松孝二役の井浦新さん(左下)、足立正生役の山本浩司さん(右)=東京都港区で2017年9月4日、鈴木隆撮影
若松孝二監督は、反体制の立場から「日本映画界をブチ壊す」と言い続けていた=2012年5月、久保玲撮影

 「シーン49。本番、よーい、スタート!」。東京・日本橋小伝馬町の雑居ビル5階の一室はあふれんばかりの熱気に包まれていた。撮影現場で張りのある声を飛ばすのは白石和彌(かずや)さん(43)。センセーショナルな作風で知られる映画監督である。10月公開予定の「止められるか、俺たちを」には、故・若松孝二監督役の井浦新(あらた)さんをはじめ、若松監督の号令の下で一緒に撮り続けてきた若松組のスタッフや役者に加え、主人公・めぐみ役の門脇麦さんら新進気鋭の俳優陣が集結。かつて若松プロがあった原宿「セントラルアパート」を想定して撮影された。

     「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」(2008年)、「キャタピラー」(10年)など常に反権力、虐げられた人々の視点から問題作を発表してきた若松さんが交通事故のため76歳で亡くなって6年になる。政治や社会にやいばを向け、タブーに挑んだ鬼才のもとで映画作りに奔走し、DNAを受け継いできた「弟子」たちが、なぜ今、若松孝二の映画を世に問おうとしているのか。

     本作で描くのは1960年代後半から70年代初頭。「学生運動の興隆と敗北」「反ベトナム戦争」「三島由紀夫の自決」と連なる政治の季節だ。若松プロが自由でラジカル(過激)な表現を駆使して映画を量産した時代と重なる。この映画は、若松さんの周りに集まった若者の青春群像を熱く描いた作品だ。

     愛弟子の一人で呼びかけ人の白石さんは語る。「当時の社会を覆った閉塞(へいそく)状況は現在にも通じる。若松監督は通常の映画表現とは異なる自由な発想で作ってきた。若松監督の映画作りを自分も体感してみたくなった。政治問題を避ける昨今の日本映画に、これでいいのかと問いたい」

     若松孝二が死ぬまで持ち続けた大胆な行動力と反骨。現代の映画界と日本社会は失っていないか。 <取材・文 鈴木隆>

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