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社説

ASEAN地域フォーラム 日本はアジアと共にある

 アジアの安全保障問題を話し合う東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の閣僚会議がシンガポールで開かれた。

     ARFは日米韓中露や北朝鮮など27カ国・機関が参加するアジアにとって最大の安保対話の枠組みだ。

     討論では、朝鮮半島の非核化に向けた取り組みを評価する意見が相次ぐ一方、領有権をめぐって対立がある南シナ海問題も議論された。

     会議は、対立を集約するのが目的ではない。自由な意見表明を通じて信頼醸成を促し、紛争を予防してアジアの安定につなげるのが狙いだ。

     そのアジアでは力の均衡に変化が生じ、大きな課題になっている。

     ASEANはもともと共産化阻止のため米国の支援で発足した。それを基軸に東西冷戦終結後間もなく始まったARFは今年で25回目だ。

     地域の秩序を支えてきた米国の指導力はここ数年で急落し、代わって中国の影響力が格段に強まった。

     この地域が激動する中、ARFでの日本の立ち位置が問われている。

     中国は多くの東南アジア諸国に大型投資を行う一方、この地域からの輸入を増大させ、経済的な関係を急速に深めた。

     南シナ海問題では中国に配慮する立場の国が増え、政治的自由より経済発展を優先する「開発独裁」が目立つようになった。

     いまは経済力では水をあけられた日本だが、ARFはアジアの覇権を争い盟主の座を競う場ではない。

     日本は1977年の東南アジア外交原則「福田ドクトリン」で、平和と繁栄のため「心と心の触れあう信頼関係を構築」するとうたった。

     この精神に立ち戻って地域との絆を再び築き、アジアと共生する姿勢を明確にすべきではないか。

     地域にとっては日本も中国もともに大事なパートナーだ。中国との均衡を保つ役割を日本に期待する国もある。安倍晋三首相らは積極的な外交で関与を強めればいい。

     ARFに先立ち、河野太郎外相は北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相と接触した。だが、短時間の立ち話をことさらアピールすることに意味はあまりない。

     北朝鮮や中国など東アジアの個性がある国々が共生するために非核化をどう進めていくかを議論する。それを日本が主導すべきだ。

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