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SUNDAY LIBRARY

池内 紀・評『老いの輝き 平成語り』野村敬子・杉浦邦子編

知恵や勇気や笑いが詰まった文化の果実を掘り起こした

◆『老いの輝き 平成語り--山形県真室川町』野村敬子・杉浦邦子・編(瑞木書房/税別3500円)

 口承文芸学で知られた野村純一は、若いころ『笛吹き聟(むこ)-最上(もがみ)の昔話』『五分次郎-最上・鮭川の昔話』『関澤幸右衛門昔話集』といった聞き書きで、骨太い学問の基礎をかためていった。最上、とりわけ真室川近辺の語り手独特の語彙(ごい)、特有の言い廻(まわ)し、ニュアンスが、東京・上野生まれ、東京育ちの身で、どうして理解できたのか。伴侶であり、同じ研究者の野村敬子がいたからだ。山形県最上郡真室川町の生まれ。最上川の支流鮭川は、少女には日常の川だった。おしどり研究者は昭和の三十年間、二人三脚のようにして定点とさだめた地方の昔話と親しんだ。

 杉浦邦子という仲間を得て、平成の始まりとともに、野村敬子は「従前とは異なる形で昔話を聞き・聴くこと…

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