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ぶくぶく潜水隊

サンゴほぼ全滅 世界最北、田辺湾周辺の群集地 低水温で弱る、産卵も低調の見込み /和歌山

冬場の低水温でほぼ全滅し、表面に藻が生えたサンゴを調べるダイバー=和歌山県田辺市沖の沖島で、山本芳博撮影

 世界最北のテーブルサンゴの群集地で知られる田辺湾周辺では、毎年7~8月の新月の大潮前後に一斉産卵が観察できる。今週末の11日が新月だが、今年は年初の低水温でサンゴがほぼ全滅し、産卵の観察は難しいとみられる。そもそも生き残っているサンゴはあるのか。私(隊長)は地元ダイバーと一緒に海へ潜った。【隊長、山本芳博】

     サンゴにはたくさんの種類があるが、写真映えする一斉産卵はクシハダやエンタク、ニホンなどのミドリイシ系のテーブルサンゴで見られる。暗闇の静かな海中で、サンゴの表面から顔を出した無数のピンク色の卵が、粉雪のように一斉に舞い上がる。その神秘的な瞬間を見ようとダイバーが夜の海に入る。

    一部分だけ生き残っているサンゴ=和歌山県白浜町沖の権現崎で、山本芳博撮影

     しかし、今年1~2月、田辺湾周辺では寒波と12年ぶりの暖流・黒潮の離岸が重なって、海水温が例年の16度を下回り、12~13度台の低水温が1カ月以上も続いた。4月には環境省が「田辺湾周辺のサンゴは85%以上が死滅した」と発表した。だからこそ、サンゴの復活を願い、例年以上に産卵を確認したいと思ってサンゴが多かった沖島(田辺市)▽天神崎(同)▽円月島(白浜町)▽四双島(同)▽権現崎(同)--の5海域で探した。

    生き残っていたすり鉢状のサンゴ(左)とキクメイシ(右下)=和歌山県白浜町沖の円月島で、山本芳博撮影

     NPO法人「自然体験学習支援センター」(和歌山市)の中家勝之さん(62)や地元ダイバーと一緒に6~7月の計7日間、1日につき50分間を2回潜った。その結果は、サンゴが最も多かった沖島周辺でミドリイシ系のサンゴが断片も含めて7個、円月島や四双島はほぼ無し、白良浜海水浴場に近い権現崎で20センチの断片が1個--という残念なもの。一方で、低水温に強い絶滅危惧2類のエダミドリイシが天神崎でほぼ全て生きていたし、産卵の観察がしにくいすり鉢状のサンゴやキクメイシも残っていた。

     参考までに、串本町有田の串本海中公園水族館前の船着き場では7月13日にスギノキミドリイシという種類が少し産卵した。同館学芸員の平林勲さん(27)は「低水温で弱っており、例年より1カ月ほど遅い」と話す。

     今週末には田辺湾で産卵を観察する予定のダイバーが多いようだが、生き残ったサンゴがわずかなだけに、実際に見ることができれば感動はより大きいだろう。=毎月1回(木曜)掲載予定

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