メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

日大チアパワハラ

女子部員がまとめた被害の経過と思い

■監督からパワハラを受けた女子部員が6月にまとめた文書の文面

<この文書は今年6月に娘が作成していたものです。当時も大学と交渉を続けていましたが、問題が解決せず事案を公表せざるを得なくなる場合に備えて気持ちをまとめたものです。>

 私は、日本大学の学生であり、保健体育審議会の応援リーダー部に所属しています。

本年2月1日から2月6日にかけて、部の監督、同期、先輩からの発言や行動によって私は自殺を考えるほどに精神的に追い詰められました。

 事の発端は1月22日です。この日はキャンパスで授業を受けた後、18時から21時まで練習がある日でした。天気が大雪だったため、練習がなくなる部活は少なくありませんでした。しかし、3限終わり(14時半ごろ)の時点で応援リーダー部にはまだ連絡がありませんでした。

 私は授業後、別件で学部の事務に立ち寄りました。担当してくださった事務員が顔見知りだったため、これから練習に向かうと話しました。

 私は普段、キャンパスから練習場まで自転車で移動をしています。しかし、大雪による事故防止として、キャンパス内の駐輪場が施錠され自転車が使えなくなることを事務員から聞きました。交通手段は電車しかありませんでしたが、電車も雪の影響でいつどうなるか分からない状況でした。事務員はとても心配してくださり、ご厚意で監督に電話をしてくれました。(監督と事務員は本学の卒業生であり、学生時代は同期。)

 事務員が電話をかけている間に私のところに友人(応援リーダー部の同期)が来たのでその時の状況と経緯を話して待ちました。結局、監督は事務員の電話に出ませんでしたが、その直後に監督から「今日の練習を中止にする」という内容の連絡が部の全体LINEに届きました。私と友人は事務の前で「やったー!オフになった!!」と言って喜び、事務員にもお礼を言って帰宅しました。

 この時はまだ、この言動で厳しく注意を受けることになるとは思っていませんでした。

 本件について監督から最初に注意を受けたのは10日後の2月1日です。この日は少しだけ雪が降りましたが、交通機関に支障が出ない程度だったので練習をしました。

 監督は練習にいらっしゃらず、練習終わりの時間に部の全体LINEにメッセージが届きました。内容は「雪に注意して帰宅するように」というものでした。それに続けて「大学の事務員や先生は友達ではないので態度や言葉遣いに気を付けてください。雪で練習が無くなったからといって叫ぶ等、部を背負っている人とは思えない行動をしているような人がいるようです。特に○○学部〇年生(私の学部と学年指定)。心当たりのある人は私に直接連絡ください。」というものでした。

 このメッセージを見た直後は、まだ、このような注意を受けるようなことをしてしまったという自覚がなかったため、すぐに友人と当時の状況について電話で話しました。その後、それぞれが監督に謝罪のLINEを送りました。

 監督の返事は厳しいものでした。私も友人も本件とは無関係のことを関連付けて厳しく注意を受けたので、私の自覚以上に重大なことをしてしまったのだと思いました。

 そんな中、再び、部の全体LINEに監督からメッセージが届きました。内容は、「同じ学部の他の同期は何をしていたのか。注意はしなかったのか。見て見ぬふりをしていたら同じだ。」というものでした。

 そのため、翌日の集合では、私と同学部の同期全員で謝罪することにしました。

 翌日2月2日は部活全体に謝罪するにあたり、練習前に同学部の同期でミーティングをしました。謝罪する時は、代表者1名が謝罪した後に続けて残りの人が「すみませんでした」と言い、頭を下げるのが部の謝罪方法です。

 監督には私が謝罪するよう言われたため、私が代表して謝罪をしたあと、同学部の同期が声をそろえて「すみません」と言い、頭を下げました。私たちの謝罪に対して、キャプテンは「今回注意を受けた内容は大学生になってまで注意されるようなことじゃないと思うから○○学部の人たちは気をつけてほしい。今回、注意を受けたのは○○学部だったけど、これは全員が注意するべきことだと思うから全員で気をつけていこう。」というような内容の発言をしました。

 私は謝罪後、友人と話し合い、「きちんと謝ったし、反省した。これから気をつけていけば大丈夫。」という結論にたどり着きました。そのため、私は普段通りの態度で練習に臨みました。

 しかし、練習後になって出身校が同じ先輩が私の同期に「○○(私の名前)の態度が反省しているように見えない」と話していることが私の耳にも入りました。

 次の日から私の反省が伝わるように練習態度を変えようと決めましたが、すでに反省していたため「反省した態度」が何なのか分からなくなりました。

 私は普段、明るくて賑やかな方なので、静かにしたらいつもより真面目に見え、反省したと思ってもらえるのではないかと考えました。

 2月3日の朝、監督がLINEで監督+私+同学部の同期のトークを作りメッセージが届いていました。内容は「昨日、全体に謝ってどうなったの?謝ったらそれでいいの?私に報告はないの?」というものでした。

 私はアルバイトをしており、そのLINEに対してすぐに返信が出来ませんでした。そのため、返信が遅くなったこと、謝罪後監督に何も報告をしなかったこと、部の印象を悪くしてしまったこと、部に迷惑をかけてしまったことなどを謝罪しました。

 この日は監督が練習に来てくださる日だと部員から聞いていたので、監督に直接お会いして謝罪するつもりでした。しかし、監督は練習にいらっしゃいませんでした。

 また、私はこの日から練習態度を変えはじめました。先輩に反省していることが伝わるようにと始めましたが、この時には先輩や同期から嫌がらせを受けるようになっていました。

 2月4日も監督が練習に来てくださる日だと部員から聞いていたのですが、練習にいらっしゃいませんでした。

 2月5日は日大新聞の取材があり、監督が練習に来てくださった日でした。

 私は練習前に体育館の外で監督と同学部の同期が深刻そうに話をしているところに遭遇しました。監督に挨拶をして体育館に向かおうとした時、監督に呼び止められました。「ちょっと待て。なに、その顔。会ってすぐそんな顔されると思っていなかったわ。本当に自分のやったこと分かってる?知らないでしょ?分からないでしょ?だからこうやって同学部の同期に今、話をしているんだよ。

 まあでも、おまえみたいにプライドが高くて過去の栄光にすがりついているやつには自分の罪を認めることも反省することも無理だよ。そうやっていつまでも母校のスウェット履いて(この日の服装は日本大学応援リーダー部のウィンドブレーカーと出身校のチームのスウェット)どこの誰が見ても○○高校(私の出身校)から日大に来たチアリーディングをしている人ってわかるような格好してさ。本当、学校の恥だよ。今すぐ脱げ。二度と履くな。本当にあんたのせいでこっちがどんだけ頭下げてると思ってんの?○○学部なのに成績が残せないどころか怪我して試合にすら出れなくて。それでよくその口からあんなことやそんなことが言えたよね。おまえが悩んでるって聞いてかわいそうだなって少しでも思った自分があほらしいわ。」と注意を受けました。そして続けて、「お前にはあとで話があるから下で待ってろ。」と言われたので私は練習場に向かい監督のことを待ちましたが監督は練習開始時間に体育館にいらっしゃいました。

 監督が練習に来てくださった日は監督からひとことをいただくために集合をします。私は集合が終わったらすぐ、監督のところに行き謝罪するつもりでした。

 しかし、監督は集合でいきなり、「○○○○(私の氏名)の件についてだけど」と言い、全員の前で私に対する注意を始めました。続けて、「みんなこいつが何をしたか知ってる?この前の大雪の日にこいつは練習が無くなったことで教務課の前で大声で喜んだ。○○学部の教務課には、大学時代同期だった事務員がいるんだけどね。こいつはその事務員に“練習が無くなるように監督に電話をかけてほしい”と頼んで事務員を使って練習なくそうとしたんですよ。私だってね、監督だから、その日は練習をなくそうと考えていたし、キャプテンとも連絡を取って練習どうするか考えていていたんだよ。なのに、なんでおまえが練習をなくそうとするわけ?おまえに言われなくてもやっとるわ。しかも、こいつは私に相談をしていたんですよ。ねえ、先輩とか、私に良い顔していれば裏で何やってもバレないと思った?おまえが知らないだけで、全部報告されてきているから。じゃあ聞くけどさあ。お前は後輩がなめた態度取ってきたらどうすんの?許すの?それでもおまえは後輩に注意できないし、お前のせいだからな。同期は、どう思ってんの?ねえ○○(同期一人を名指し)同じ代にこんなやついるけども、どう?それにここ数日練習態度が悪いらしいじゃん。なにふて腐れてんの?ねえ、理解できないからわかるように説明して。もう、こうやってみんなの前で怒られるの何回目?もうまじでどうにかして。それに事務員は友達か?事務の中では顔が白くてうるさい子って言ったらおまえだって有名なんだよ。雪の件だけじゃない、今までだってどんだけのことしてきてんの?思っている以上にやばいから。」と言われました。

 また、注意を受けている途中で名指しされた同期は監督の質問に対して「あり得ないです。」と即答しました。そして、私は態度が悪いことについて全員が納得できる理由を言うように促されたので「全体集合で謝罪した日に反省をしていたのですが、先輩に反省していないように捉えられてしまったので、次の日からは反省した態度を見てもらいたくて練習態度を変えていました。でも、それはそれで怒っているとかふて腐れているように捉えられてしまっていました。」と答えました。私は監督に「反省してもないのに反省した態度を取ろうとするからそうなるんだよ。反省しているなら態度に出るもんだから」と言われました。

 私はこのように全体の前で注意を受けたことが以前に一度しかなく、これが2回目でした。

 1月22日に練習が無くなったことで私は教務課の前で喜んでしまいました。しかし、友人も一緒にその場にいて一緒に喜びました。そのため、なぜ私だけがこのような形で注意を受けたのか分かりませんでした。また、監督への電話は、私が事務員に頼んだのではなく、事務員のご厚意でしてくださったことですし、大学の事務員や先生を友達だと思ったことはなく、学校生活も真面目に送ってきたつもりでした。なので、自分の認識と違う点はいくつかありましたが、全員の前で私が注意を受けている立場で訂正できる状況ではありませんでした。そして、監督の話が終わったときに監督からもう一度全体に謝罪をするように言われ、今度は私ひとりが部活全体に対して謝罪をしました。

 集合が終わった後、私と同学部の同期は監督のところに謝罪をしに行きました。この時も私だけ厳しく注意を受けました。

 監督から、学部の同期で話し合ってから練習に参加するように言われていたので監督に謝罪した後、ミーティングをしました。

 そのミーティングは同期でのミーティングだったため、私は監督の話と自分の認識の相違点について話をしようとしました。しかし、それはただの言い訳だと捉えられ聞き入れてもらえませんでした。ある同期には「よく今の立場でそんなこと言えるよね、自分のしたこと分かってる?」と言われました。この時点ですでに私は同期から信頼してもらえなくなっていました。

 ミーティング後、監督と2人で本件に関する話をしたいと思っていたので話に行こうとしましたが、同期がそれを許してくれませんでした。そのため、私は諦め、別件の話をしに行きました。

 別件というのは選手としての復帰時期の相談でした。私は、昨夏に怪我による手術を受けました。当初の復帰予定は本年1月頃だったのですが、術後経過が悪く復帰予定が遅れていました。そのため、リハビリを継続したいというお願いを前からしていましたが、監督に返事をいただけていない状況でした。当時、セレクションが6日後に迫っていたため、再び相談をしましたが、監督は「お前の相談にはもう乗らない。ほんとにこんなことしたのにまだ選択権があると思ってんの?ないから。セレクション受けさせなくてもいいかな?とか思っていたけど、あなたには今回セレクションを受けさせます。大会にも出させます。本当に騙されたし裏切られた。私と先輩にだけいい顔していたら大丈夫だと思った?おまえのこと、ただの馬鹿だと思っていたから、力になってあげようと思っていたけど、ずる賢い馬鹿は嫌いだから。チアも本当はもうできるんじゃないの?もし本当に出来ないなら、診断書でもレントゲンでもMRIでもいいから何か証明できるものを私にセレクションの日までに見せなさい。あと、診断も本当か分からないから同期と一緒に受診して。私に診断結果を説明するのも、あんたからじゃなくて一緒に受診した同期に説明させなさい。わかった?練習に遅刻してもいいからセレクションの前に必ず診てもらってきなさい。あと、○○先生(学部の先生)にも診てもらってきなさい。それも同期と行って同期に報告させて。」と言いました。

 この時、もうすでに、同期や先輩などの私が身近に感じていた人たちに助けを求められる状況じゃないと感じていた時に監督からこのようなお話を受けたため、精神的にかなり追い詰められていました。

 この日の練習後、学年のLINEで「本件について、学部問わず学年全員で一度話すべきだ」という話になり、翌日2月6日の練習後に学年ミーティングをすることになりました。

 2月6日の練習後に行われたミーティングは、私に対して言いたいことを全員が言うためのミーティングでした。同期にも本件と関係のないことを関連付けて注意を受けたり、事実と異なることを言われたり、私は同期に対しても謝罪しかできませんでした。否定や弁解などは出来ない状況でした。最終的に私はミーティング中に過呼吸になってしまったのですが、同期は「過呼吸なんてすぐ直る」とか「どうせ演技でしょ」というような言葉を言っていました。結局私のせいでミーティングは仕切り直しになりました。ミーティング打切り後も30分以上過呼吸は収まりませんでした。

 2月1日から6日まで謝罪をしましたが、なぜこんなにも許してもらえないのか分かりませんでした。また、私の認識と周りが言うことが違っていたため、それを伝えようとしましたが誰にも聞き入れてもらえませんでした。誰にも信頼もされていない状況で何が何なのか、どうしたらいいのか分からなくなりました。もう部活を辞めたいと思いましたが、監督から部を辞めることは許されないと指導されていたため、部活を辞めるという選択肢はありませんでした。そして私は自殺を考えました。

 その後、私は部活に行きませんでした。監督や同期から連絡が来ましたが、私は応答することが出来ませんでした。また、自宅が部員に知られているため、家に来るかもしれないと考え、家族には何も伝えず、家出をしました。約1か月後、自宅に帰れるようになりました。

 当初、私は本学にいろんな組織がきちんと存在しているので大学に助けを求めれば解決できると考えていました。しかし、保体審も学部も助けを求めても解決に至ることはしてくれず、最終的に「日本大学としてできることはもうない」と言われてしまいました。期待した人権オフィスもごくわずかな関係者に聞き取りをしただけで、一度は「これ以上できることはありません」と対応を打ち切る説明をされました。私はすべての事実確認をお願いしていたのですが、「すべての事実確認をする必要はない。」と言われてしまいました。

 本学アメリカンフットボール部についての報道後、学部は学生に対し、「本学は学生の皆さんを必ず守ります。」という一文が書いてある文書を出しています。この文書を読んだ時、私はもう一度学部に助けを求めようと思い、家族を通じて問い合わせをしました。しかし、「今回の文書はアメフトの件に関してなので、○○さん(私の名前)の事とは関係ない。」と言われました。

 私は、一瞬期待してしまいましたが、やはりだめなのかと思いました。

 このような文書を出すことは「何がどうなるのか予測しきれず、これからどうなるか分からない」ということは理解しているつもりでいます。

 そのため、私は、本当にこのような文書を出すべきなのか、出してもいいのか、何度も悩みました。

 しかし、このままだと時間が過ぎるだけで何も解決できないと感じたため、文書を出すことを決意しました。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 西日本豪雨 あの尾畠さん、今度は広島のボランティアに
  2. アジア大会 競泳表彰式で中国と日本の国旗が落下トラブル
  3. アジア大会 ボランティアに破格の報酬 18日夜開会式
  4. 近鉄 ホームに沈む可動柵 新型、数年内導入
  5. WEB CARTOP 高速道路が渋滞していても一般道に降りないほうがいいワケ

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです