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経済観測

スウェーデンが過去から学んだこと=中央大教授・宮本太郎

 LGBTなどの性的少数者に対して「生産性」がないとした政治家の論説が波紋を呼んでいる。おりしも、相模原の障害者殺傷事件から2年が経過し、また、障害者への強制不妊手術をめぐり訴訟が広がるなかでの発言だった。

     差別と排除の論理が、あたかも人口減少や経済停滞に対処するためであるかのように持ち出される。多様な生のあり方を積極的に支える社会こそが活力ある社会となることが改めて強調されねばならない。たとえばスウェーデンは、障害の有無や性別、性的指向のいかんを問わず、誰もが社会とつながり力を発揮できる条件づくりを目指してきた。

     障害のある人が自ら介助者を選べるパーソナルアシスタンス制度、介助とは別に障害者の孤立を防ぐコンタクトパーソン制度、自力移動が困難な人々のため柔軟な路線設定をするバスサービス、当事者ごとに多様な支援を行う障害者雇用制度等々。経済と政治への女性の参加を広げる一方で、婚姻は性的指向に中立的であるべきだという観点から、2009年には同性の婚姻を法制化した。

     多様な生のかたちが支援されることはそれ自体が大事であり、あくまでその結果としてだが、スウェーデンでは人口が増大し続け、近年の経済成長率はほぼ一貫して日本を上回る。

     だがスウェーデンにも差別と排除の歴史があった。1930年代に人口減少への対応として子育て支援が打ち出された際には、「優良な人口」こそ増やすべきだという議論が起こり、障害者の強制不妊手術を認める「堕胎法」が制定され、6万件以上の手術が行われた。今日の姿はこうした歴史を乗り越えた結果だ。過去からどう学び未来を構想するか。まさに政治の「生産性」が問われている。=次回は21日に掲載します

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