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将棋

第77期名人戦A級順位戦 稲葉陽八段-久保利明王将 第5局の3

センスのある一手

 久保は[後]3四歩[先]同飛[後]2八角のコースを選択した。自玉の憂いには目をつぶって、桂香得の実利にかけたのだ。

 手番を得た稲葉の対応が注目された。3筋の桂頭攻めは間に合わない。どこに代償を求めるのかと見ていたら、稲葉はひょいと角を上がった。銀冠の頭上を直撃しようというわけだ。[先]6六角のような手は棋譜を並べていると素通りしてしまいがちだが、実はセンスのある一手で実戦ではなかなか指せない。おそらく序盤で[先]7七角と打った時点で、左辺への活用もおぼろげながらに想定していたのだろう。

 久保は予定通り、桂香を回収する。その間、稲葉は8筋に大きな拠点を築いた。両者の主張が正面からぶつか…

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