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日航機墜落

33年 日航機遺族に支えられ 大震災で娘失った宮城の夫婦、灯籠流し初参加

美谷島邦子さん(右)ら日航ジャンボ機墜落事故の遺族と流す灯籠に、東日本大震災で犠牲になった常磐山元自動車学校の教習生25人の名前を貼り付ける早坂満さん=群馬県上野村で2018年8月11日午後3時56分、喜屋武真之介撮影

 日航ジャンボ機墜落事故の慰霊のため、11日夕に群馬県上野村の神流川で営まれた灯籠(とうろう)流しに、宮城県亘理町の早坂満さん(56)、由里子さん(55)夫妻が初めて参加した。夫妻は東日本大震災の津波で常磐山元自動車学校(同県山元町)に通っていた長女薫さん(当時18歳)を亡くした。愛娘との別れで崩れそうになる気持ちを墜落事故遺族に支えられた夫妻は「同じ悲しみを経験した遺族同士。この場所で一緒に慰霊ができて心強い。寄り添ってもらったぶん、寄り添いたい」と心を込めた。

     夕日が沈むころ、早坂さん夫妻は津波で犠牲になった教習生25人の名前を貼った灯籠を流した。灯籠は事故遺族が用意してくれた。

     墜落事故で次男健さん(当時9歳)を亡くした美谷島(みやじま)邦子さん(71)=東京都大田区=と交流を始めたのは震災翌年の秋だった。

     当時、18~19歳の教習生25人が津波で犠牲になったのは自動車学校が安全配慮義務を怠ったためとして、学校側に損害賠償を求めた訴訟(2016年5月に仙台高裁で和解)に参加していた。裁判を起こしたのは子どもを亡くした親同士だったが、時間がたつにつれ意見が対立することが増えていった。

     「遺族の団結が続くことに何か秘訣(ひけつ)があるのでしょうか」。墜落事故犠牲者の家族らで作る「8・12連絡会」の事務局長を務める美谷島さんに、満さんがメールを送るとすぐ返信がきた。「ゆるやかな連帯を大切にしてください。真実が明らかにされるよう祈っています」

     由里子さんは15年の仙台地裁判決後、初めて美谷島さんに電話した。地裁判決で賠償を勝ち取ったが、薫さんは帰ってこない。話しているうちに涙が止まらなくなった。「まだ4年だもの。気持ちの整理がつかないでしょう」。思いをくみ取ってもらえたと感じた。その後も手紙やメールで交流が続いた。

     震災から7年を迎えた今年3月、由里子さんは震災の語り部活動に挑んだ。子どもの死に向き合い、発信し続ける美谷島さんの存在は夫妻にとって心の支えだ。「娘の死を無駄にしたくない。私たちの身に起きたことも忘れないでほしい」。12日は墜落事故の現場の「御巣鷹(おすたか)の尾根」で手を合わせ、体験を語り継ぐ意味を確認するつもりだ。【本橋敦子】

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