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 福岡市博多区の黒木恵美子さん(80)は毎年、終戦の日にだご汁を作る。日本に引き揚げてきて祖母に作ってもらった最初の料理だ。「芋を石臼で粉にしメリケン粉に混ぜていた。限られた食材だったが、空腹の私にはごちそうだった」

     黒木さんは旧満州(現中国東北部)で敗戦を迎えた。仕事の事情で両親と弟2人は現地に残り、黒木さんと2番目の弟が叔母と共に帰国した。引き揚げは子供心につらい傷を残した。「同じ年ごろの子供が亡くなり、貨車から外に落とされた。私はただ手を合わせていた」

     亡くなったのは子供だけではない。「引き揚げ船に乗って日本の港に入り、上陸を待つ間に女性が海に飛び込んだ」。敗戦後、性的暴行を受けた女性が帰国目前に自ら命を絶ったのだ。黒木さんは戦後、人前で体験を話さなかったが、昨夏中学生が引き揚げの実態を調べる姿に心が動き、初めて体験記を書いた。

     今年も15日にだご汁を作る。あの体験を忘れようとする一方で、戦争の悲惨さを伝えるため子供と孫にだご汁を作ってきた。「今後は体験も語り継ぎたい」と新たな決意の夏となった。【松田幸三】

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