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理想の図書館を求めて

/3 笠間・6年連続貸出数日本一 多彩な仕掛けで“繁盛” 借りやすさ、快適性で敷居下げ /茨城

 「笠間焼」や「笠間稲荷神社」で知られる笠間市には、合併前の1市2町にあたる笠間・友部・岩間の3カ所に市立図書館がある。2016年度の来館者数は3館で計約60万人。日本図書館協会によると、同年度の総貸出数は計約109万7000点と、人口8万人未満の市区で6年連続の日本一だ。多彩なイベントや借りやすさで、来館の「敷居」を徹底して下げたことが功を奏した。

     特徴の一つが、子供向けを中心とした多彩なイベント展開だ。6~7月に初めて開催した「星の図書館」では、本棚の上に星をテーマにした絵画や写真、陶器を展示し、館内を「プラネタリウム」のように飾ったほか、実際に天体望遠鏡を使う観測会も開催した。一見、図書館と関係が薄いようにも思えるが、高野一館長(56)は「幼少時から図書館に親しんでもらうことで、来館者の間口を広げるのが狙い」と、意義を説明する。イベントはツイッターなどでも積極的に発信している。

     一方、「笠間らしさ」も打ち出す。笠間焼のまちらしく、笠間図書館では陶芸関係の本を多く収蔵しており、高野館長は「陶芸だけでなく、絵付けの参考になる美術全般の本が多く貸し出されている。陶芸家も寄ってくれている」と胸を張る。本だけではなく、実際の笠間焼を展示するコーナーも設けている。また、筑波海軍航空隊記念館がある友部図書館は戦史の本や資料が充実している。その結果、同市立図書館の所蔵する本や資料は計58万785点(8月1日時点)と、県内の市町村立図書館では水戸市と日立市に次ぐ3番目の規模だ。

     もう一つの大事な柱が、来館者が本を借りやすくする工夫だ。笠間図書館では04年の開館時から1回当たりの貸し出し制限を撤廃。06年の3市町合併で友部、岩間の両図書館も無制限とした。本は何冊でも、CDやDVDなどの視聴覚資料は3館合計で10点まで借りられる。住所制限は設けていないため、水戸市など県内の他市町村や栃木県内から自動車で来館し、多くの図書を一度に借りるヘビーユーザーも多い。また手続きすれば、JR東日本のSuica(スイカ)などICカードでも借りられる。「もっと借りてください」という空気を大事にしている。

     快適な空間づくりにも注力している。昨年9月から笠間図書館前にサンドイッチなどの軽食を提供するケータリングカーがお目見えした。買ったものは2階の休憩スペースで食べることも可能だ。なぜ指定管理者に任せる図書館のように、カフェなどを館内に設けなかったのかを尋ねると、高野館長は「より多くの本をそろえて市民に読んでもらう図書館の設置意義を考えると、カフェを入れるために本棚を減らすのは本末転倒になる」と話した。多くの来館者を呼び込む仕掛けを繰り出す一方、公共図書館としての守るべき「一線」は強く意識している。

     高野館長は「子供の頃から図書館に来てもらい、読書の習慣を身に着けてほしい。永続的に利用してもらう環境が整えば、市民の文化意識も自然に高まるはずだ」と、先を見据える。【太田圭介】=つづく

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