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社説

五輪・パラ文化プログラム 熱意不足の原因はどこに

 2020年の東京五輪・パラリンピックは、スポーツの世界にとどまるものではない。五輪憲章において、「文化プログラム」という企画が求められているからだ。

     日本には伝統芸能からアニメ、和食にいたる多彩な文化がある。それらを国内外に広く発信する好機だ。同時に、本大会に先駆け、機運の醸成を図っていく狙いもある。

     今回の東京大会でも、前回リオデジャネイロ大会終了後から4年かけて、全国各地で展開することになっている。

     しかし、大会まで2年を切った現時点で、文化の祭典としての側面が十分に浸透しているかは疑問だ。

     東京都が4月に発表した都内在住者を対象にした世論調査結果では、7割近くが「文化プログラム」という言葉を知らないと回答した。

     要因の一つは、実施主体が政府、大会組織委員会、都の3者に分かれていることだ。プログラム名やロゴマークもそれぞれ異なり、大会エンブレムや「五輪」の名称の使用にも制約があるため、どうしても一体感に欠ける。

     文化プログラムは、開催都市だけでなく地域や障害者の文化芸術活動を支援する側面もある。4月には連絡会議が設置されたが、ムーブメントとして盛り上げていくには、今以上に緊密な連携による精力的な取り組みが求められる。

     成功例と言われるのが、12年のロンドン大会だ。4年間に音楽や演劇、美術など約17万7000件が実施され、参加者総数は約4340万人にのぼった。身体に障害のあるアーティストたちによるプログラム「アンリミテッド」も高く評価された。

     東京大会では当初20万件という目標値もあったが、現在は数より質の重視を強調する。残る2年で、民間企業や芸術団体の力も結集し、レガシー(遺産)となるプログラムができるか。知恵を絞る必要がある。また、文化芸術活動を担う人材の育成など、長期的な視点も忘れてはならない。

     国は20年までを文化政策推進重点期間と位置付け、「文化芸術立国」の実現を目指すとしている。

     経済的な価値だけでは測れない、芸術文化の意義を改めて確認する契機にもしたい。

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