メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

自民総裁選の日程決まる 憲法は政略の道具なのか

 自民党総裁選の日程が9月7日告示、20日投開票と決まった。

     安倍晋三首相はまだ出馬を表明していないが、石破茂元幹事長との一騎打ちを想定し、憲法改正の争点化をめぐるさや当てが始まっている。

     首相は先週、地元・山口県で講演し、秋の臨時国会への改憲案提出を目指す考えを示した。

     現行の憲法9条1、2項を維持したまま自衛隊の存在を明記する首相方針に石破氏は反対し、9条2項を削除して自衛隊を軍隊と位置づけるよう主張している。

     首相は講演で「いつまでも議論だけを続けるわけにはいかない」と強調した。総裁選で石破氏に勝つことで党内の9条論争に決着をつけ、総裁3期目の最優先課題として改憲を進めたい意向のようだ。

     ただ、自民党の憲法改正推進本部が3月の党大会前にまとめた4項目の改正案は急ごしらえの粗さが目立つ。特に9条は集団的自衛権の全面行使に道を開くとも読み取れるため、さらに精緻な議論が必要だ。

     それでもあえて首相が総裁選の争点化を狙うのは、その方が自身に有利に働くとの算段からだろう。

     石破氏の主張は自民党が2012年にまとめた憲法改正草案に沿ったものだが、連立政権を組む公明党が受け入れられる内容ではなく、国会発議は現実的に難しい。

     石破氏も分が悪いことに気づいているようだ。「憲法改正には国民の深い理解を得る努力が必要だ」と党内議論に時間をかけるよう主張し、決着を急ぐ首相の姿勢を「スケジュールありき」と批判している。

     石破氏の矛盾は、参院選の合区を解消する憲法改正を優先させる案で首相に対抗していることだ。

     自衛隊明記も合区解消も4項目の条文案に含まれる。12年草案にない点も同じなのに、合区解消の方を急ぐ理屈は乏しい。

     石破氏を支持する参院竹下派に配慮しているのだとしたら、石破氏の主張も自己都合だと言わなければならない。

     憲法改正を党是とする自民党の総裁選で、その具体的な進め方が論戦の俎上(そじょう)に載ることは理解できる。しかし、最高法規たる憲法を政略の道具として扱うような姿勢が目立つことには違和感を拭えない。

    コメント

    投稿について

    読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

    ※ 本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して毎日新聞社は一切の責任を負いません。また、投稿は利用規約に同意したものとみなします。

    利用規約

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. Dr.北村が語る現代思春期 危険な「セクスティング」 削除できない性的画像
    2. 風知草 圧勝ですが、何か?=山田孝男
    3. 一日警察署長 交通ルール守ってね AKB48・永野さん
    4. 会津藩公行列 「ありがとなし…」綾瀬はるかさん手を振り
    5. あの人に会った 関西ジャニーズJr. 西畑大吾さん

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです