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沖縄

米軍が恐れた男・瀬長亀次郎氏の記録映画に共感

映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の1シーン(C)TBSテレビ
映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の1シーン(C)TBSテレビ

「不屈」と評される生き様 続編の製作が進行中

 戦後の沖縄で米軍統治の圧政と闘った政治家、瀬長亀次郎氏(1907~2001年)を描いたドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」。那覇市の桜坂劇場での上映が17日で終了したが、昨年8月12日の公開から劇場最長となる1年超のロングランとなった。県民の反対を押し切って政府が米軍普天間飛行場(宜野湾市)への県内移設工事を強行する中、「不屈」と評される瀬長氏の生き様への共感が広がり、続編の製作が進められている。

     瀬長氏は47年、沖縄人民党結成に参加。本土復帰(72年)前の沖縄は米軍統治下に置かれ、言論が厳しく制限されていたが、米軍による基地拡張などに反対し続けた。54年には沖縄からの退去命令を受けた人民党員をかくまったとして逮捕・投獄。服役後、56年12月には那覇市長に当選するが、米軍によって11カ月で追放された。

     「瀬長ひとりが叫んだならば、50メートル先まで聞こえます。沖縄の70万県民が声をそろえて叫んだならば、太平洋の荒波を越えてワシントンを動かすことができます」。ユーモアを交えた演説で大衆の心をつかんだ瀬長氏は闘争の先頭に立ち、抵抗のシンボルとなった。

     映画はTBSキャスターの佐古忠彦さん(54)が監督を務め、当時の映像や関係者へのインタビューを基に瀬長氏の人生を描いた。

     全国の映画館など約80カ所で上映され、約7万人が鑑賞。桜坂劇場の上映は53週に及び、アニメ映画「この世界の片隅に」の46週(17~18年)を超えて最長となり、観客数も2万人を超えた。劇場の興行部長の下地久美子さん(38)は「元々のファンだけでなく、若い世代にも『カメジローは格好いい』と口コミで広がった」と話す。

     映画の終盤には、県内移設反対を訴えて政府と対峙(たいじ)した翁長雄志(おなが・たけし)知事が14年の知事選で初当選した際の場面も登場する。翁長知事が8日に亡くなった後の上映では涙を流す観客もおり、12日に2回目の鑑賞に訪れた那覇市の会社員の女性(39)は「気持ちを整理したくて来た。不屈の精神は、常に沖縄にあったんだと改めて確認できた」と話した。

     11日に那覇市であった辺野古沿岸部への土砂投入に反対する県民大会も取材した佐古さんは「映画の続きを見ているような気がした。多くの沖縄の人たちが『カメジローの時代と何も変わっていない』という思いで見に来てくれたのでは」と語る。来年の公開を目指す続編では、瀬長氏が那覇市長を追放されてから本土復帰までの「不屈の闘い」をさらに描きたいとしている。【遠藤孝康】

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