メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

東日本大震災

「武ちゃん食堂」再開 竜田駅前に新店舗

JR竜田駅前に戻って開店する「武ちゃん食堂」の佐藤茂樹さん(左)と美由紀さん=福島県楢葉町井出で2018年8月22日午前10時43分、乾達撮影

「ホッとできる店にしたい」

 東京電力福島第1原発事故前に福島県楢葉町のJR竜田駅前で長年町民に親しまれていた「武ちゃん食堂」が24日、約7年半ぶりに駅前に戻り、新店舗で営業を始める。町の玄関口だった駅周辺はかつて商店や飲食店が10店ほどあったが、再開は初めて。店主の佐藤茂樹さん(55)と妻美由紀さん(53)は「看板を見て『楢葉に帰ってきたな』とホッとできる店にしたい。ゆっくりと、長くやっていければ」と話す。【乾達】

     佐藤さん夫婦は、茂樹さんの父が1971年に開いた店を30年あまり前に引き継いだ。年中ほぼ休みなしで、時間外営業にも気安く応じるなど、地元住民から「いつでも開いている」とあてにされる存在だった。看板メニューはニラレバ炒めで、茂樹さんが父直伝の焼き肉のタレを生かして考案、クセの無い味が人気を呼んだ。

     原発事故後、避難したいわき市で店舗を探したこともあったが、「やるなら楢葉で」と考えて2014年7月、町内にできた仮設商店街に出店した。渋滞を避けて午前2時起きで楢葉に通い、仕込みに時間をかけて昼間の大混雑に備えるめまぐるしい日々。政府首脳や海外の研究者・メディアも訪れ、時には「被災地に飲食店を出すことをどう考えているのか」などと厳しい質問を受けることもあった。

     仮設の店は今年5月、役割を終えて閉店。駅舎向かいの土地を購入して自宅兼店舗を建て、今月初めに住居も戻した。ただ、町は住民の帰還に備えて、役場近くに商業、医療施設などを集約した復興拠点を先に整備した。駅前の既成市街地は、住民参加で再生に向けた構想を検討している段階だ。

     昼間の駅前はほとんど人通りがないが、美由紀さんは「住み慣れた場所に戻り、落ち着いて商売できる。私たちが始めることで、人の動きがある元の楢葉の姿を取り戻すきっかけになれば」と話す。

     新店舗では定食や麺類に加え、仮設店舗で提供できなかったカツ丼、カツカレーチャーハンなども復活させる。営業時間は午前11時~午後2時。日曜定休。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 新潮45 杉田氏擁護特集で社長コメント「常識逸脱した」
    2. 沖縄読谷 米兵、酔って民家侵入 高2長女、妹抱え逃げる
    3. 新潮45 杉田水脈議員擁護の特集 批判は「見当はずれ」
    4. 新潮45 最新号特集に批判拡大 「社内造反」に応援次々
    5. 自民総裁選 カツカレー「食い逃げ」議員は? 安倍陣営

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです