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猛暑

8月に出勤しないという働き方をする会社とは

パソコンを使って伊野さんと連絡をとる「ROLLCAKE」のスタッフ=東京都目黒区で、米田堅持撮影

 記録的な猛暑が続くこの夏、毎日の通勤がつらいという人も多いだろう。そんな中、8月はオフィスに出勤しなくても良いという夢のような会社があるという。2015年から避暑地などでリモートワークを使った働き方を認めているIT関連企業「ROLLCAKE」(東京都目黒区)を取材してみた。【米田堅持】

「絆」が商品だから家族と一緒に

 発端は同社が力を入れている写真アルバムのサービス「ALBUS(アルバス)」を設計した伊野亘輝さん(44)からの「猛暑の中で出勤するのは厳しい。リモートワークなどを活用して出勤せずに勤務できないか」という提案だった。

 「アルバス」は毎月8枚までの正方形の写真プリントが無料で注文できる家族アルバムを提供するサービス。伊野さんは「家族との絆を意識するからこそ、家族と一緒にいて仕事をするのは大きい」と提案理由を説明する。16年にサービスを開始した「ALBUS」は、「インスタ映え」を意識する20代から40代、特に女性の圧倒的な支持を受けて売り上げを伸ばし、同社を支えるサービスの一つとなっている。

10年前にはできなかった

 今年の8月は、伊野さんは家族とともに山梨県北杜市に滞在し、リモートワークを活用しながら仕事をしている。実は、記者も伊野さんとパソコンを通してインタビューを行ったが、受け答えに多少のタイムラグはあるものの、それほど不便さは感じなかった。

 伊野さんは「10年前では考えられないほどリモートワークの環境は良くなっている。共有型の仕事場『コワーキングスペース』だけでなく、図書館でも気軽にWi-Fi(無線LAN)を使うことで、東京との距離を意識せずに仕事ができるようになった」という。しかし、技術と環境が整備されても人と人のつながりで仕事をするという基本は変わらない。「時間の無駄がないように、リモートワークをする8月という時期に何をすべきかをチームメンバーと共有し、意識的にコミュニケーションをとるようにしている」と事前準備の重要性を強調する。

 「標高1200メートル、朝晩は涼しく快適に過ごせる。普段の生活から離れて集中できることで精神的にも余裕ができた」。伊野さんの妻は妊娠中で「妻と2人の子どもとともに、秋に生まれる新たな家族の誕生も楽しみにしながら過ごしている」と伊野さんはPCの画面越しに笑顔を見せた。

経営者は、どう見ているか

 8月に出勤しなくても良い働き方を経営サイドはどう考えているのか。同社の石田忠司社長によると「試験的に導入してみた。(単純な)生産性だけを見れば落ちるが、社員のメンタルヘルスケアにメリットを感じている。勤務時間は社員を信じて自己申告で管理している。自社のサービスはオンラインで完結するので、特段のデメリットは感じない」と話す。来年以降も「8月はオフィスに出勤せず」となるかは未定だという。

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