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菅井きんさん死去

いびる姑絶品で「娘の縁談を心配」(スポニチ)

 「悪い奴ほどよく眠る」「赤ひげ」といった黒澤明監督作品やテレビ時代劇「必殺」シリーズで主人公を「ムコ殿!」といびる姑(しゅうとめ)役などで人気だった女優の菅井きん(すがい・きん、本名佐藤キミ子=さとう・きみこ)さんが10日午後2時、心不全のため都内の自宅で死去した。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は娘婿の三上登(みかみ・のぼる)氏。舞台、映画、ドラマと70年にわたって活躍した名バイプレーヤーだった。

     菅井さんは、2010年に自宅で転倒して大腿骨を骨折して以降、自立歩行が困難になり、車いすで自宅とリハビリ病院を併設した介護施設を行き来する日々だった。所属事務所の小野伸一社長によると、亡くなる前日の9日まで元気だったが、容体が急変。長女ら親族にみとられて自宅で息を引き取った。

     小野氏は「前日に娘さんに電話をして“元気です”という返事をもらったばかりだった。急な知らせに驚いている」と話した。菅井さんは最近も車いすで外出したり、うなぎや肉類の食事を好むなど食欲も旺盛だったという。

     最後の仕事は10年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」。ケガの後、女優の仕事からは離れていたが、繰り返し再放送される「必殺」シリーズや息長くオンエアされる藤商店「からし酢みそ」のCMなどで菅井さんを身近に感じるお茶の間のファンは少なくなかった。

     文部省(現文科省)、東京帝大などの事務職員を経て、終戦後、東京芸術劇場研究所に入所。「女優になりたい」と相談した父に、「女優とは美しい女性がなるものだ」と反対されたエピソードをテレビ朝日「徹子の部屋」で明かしたことがあった。

     1947年2月に初舞台を踏み、その後、俳優座に。58年退団しフリーになって以降、映画、テレビと活動の場を広げ、芸術作品から娯楽作品まで巧みにこなす貴重な脇役として活躍を続けた。

     庶民の味を出せる女優として、今村昌平監督の「豚と軍艦」、黒澤監督の「生きる」「赤ひげ」など、名監督からも重用された。伊丹十三監督の「お葬式」では夫を突然亡くした老妻の悲しみを見事に表現し、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した。

     「太陽にほえろ!」で松田優作さん演じるジーパン刑事の母親役などテレビドラマにも数多く出演したが、代表作は「必殺仕置人」などの「必殺」シリーズ。藤田まことさん扮する娘婿の中村主水を娘役の白木万理(81)とともにいびる姑は絶品。あまりに有名になったため、「娘の縁談に支障が出てはいけない」と降板を申し出たこともあったほどのはまり役だった。

     50年に俳優座映画製作部の佐藤正之氏と結婚し1女をもうけた。96年に佐藤氏が先立つと、娘夫婦と一緒に暮らし、ひ孫もいる。80代を迎えても女優業を続け、08年製作の「ぼくのおばあちゃん」で82歳にして映画初主演を飾った。

     ◆菅井 きん(すがい・きん)本名佐藤キミ子。1926年(大15)2月28日生まれ、東京都出身。芸名は旧姓・須斎キミ子(すさい・きみこ)からつけた。ドラマはNHK大河「いのち」(86年)「功名が辻」(06年)、テレビ朝日「七人の女弁護士」(91年)などに出演。94年の「家なき子」の“ババア”役も有名。映画は「キューポラのある街」(62年)「どですかでん」(70年)など。特技は三味線。90年に紫綬褒章、96年に勲四等宝冠章を受章。血液型B。(スポニチ)

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