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ADR

拡充へ法改正検討 利用伸びぬ「裁判外紛争解決手続き」 合意に強制力なし、3割が相手応じず

認証ADR機関による紛争解決の事例

 民事上のトラブルを訴訟よりも迅速で安価に解決できる「裁判外紛争解決手続き」(ADR)の利用拡大を目指し、法務省はADR法改正に向けた検討を進めている。法相に認証されたADR機関は現在151団体あるが、利用は伸び悩んでおり、申し立てを受けた相手方が応じないケースが多い▽合意内容に強制力がない--といった現行制度の課題の改善を図る。【和田武士】

     ADR法は、司法制度改革審議会で「訴訟と並ぶ紛争解決手段となるよう拡充を図るべきだ」とされたことを受け、2007年4月に施行。ADR機関を法相が認証する仕組みが導入されたほか、認証機関が手続きを進めている間は請求権の時効を中断できるようにして、一定期間は訴訟手続きを中止することも可能にした。

     認証機関は弁護士会や司法書士会、NPOなどが運営し、07年度の10団体から11年度には100団体を超えた。取り扱い分野は金融取引、労働、医療、家族間など幅広いが、受理件数は11年度の1347件をピークに微減し、17年度は1071件にとどまった。

     利用が広がらない背景に、申し立てをしても相手が応じないケースが3割近くに上る▽当事者が和解合意しても裁判所の判決のような執行力がない--といった制度上の問題が指摘されている。認証機関がよく知られていないこともあるとみられ、日本ADR協会(東京)は4月、上川陽子法相に制度改善に向けた提言書を提出した。

     提言書は(1)裁判所の決定で和解合意に執行力を与えられる規定を新設(2)相手方に手続きに応じる義務を課せる場合を拡大(3)訴訟中でも裁判所が必要と認める時は認証機関での手続きに移行できるとの規定を設ける--などが柱。法務省は来年中の法整備を目指す。


     ■ことば

    裁判外紛争解決手続き(ADR)

     公正で専門的な知識を持った第三者を通じて紛争解決を図る手続き。当事者の合意に基づき、仲裁人が事案の内容を調べて判断を示す「仲裁」や、中立的な第三者が話し合いを促したり、利害を調整したりする「調停」などがある。訴訟より解決までの時間が比較的短く、費用も安いのが特徴。ADRは「Alternative Dispute Resolution」(裁判に代わる紛争解決手段)の略。

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