メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

米中が関税応酬第2弾 混乱広げる不毛な根比べ

 米中両大国の不毛な根比べは世界経済を混乱に巻き込むだけだ。

     トランプ米政権は中国の知的財産権侵害を理由とした制裁関税の第2弾を発動した。7月の第1弾と合わせた対象品目の規模は5兆円超に上る。反発する中国も報復に踏み切り、貿易戦争がより深刻化した。

     応酬は互いの首を絞めるものだ。

     米国は企業や家計の負担が増している。中国などには鉄鋼やアルミニウムへの高関税も発動しており、これらを原材料とする自動車会社の利益が圧迫されている。アルミ缶価格の上昇で清涼飲料も値上がりした。

     中国も報復関税で米国産の食品などが値上がりした。景気悪化が懸念され、株価は大きく下落した。

     こうした痛みにもかかわらず、対立はエスカレートする恐れがある。トランプ大統領が11月の中間選挙に向けて、対中圧力を強め、成果をもぎ取ろうとしているからだ。

     米国は9月にも制裁第3弾を発動する。対象は一気に20兆円超に膨らみ、中国からの輸入の半分を占める。家電や衣類など生活に密着した製品が多く、米消費者の負担は一段と重くなる。中国も報復を予告し、米中の景気を冷え込ませかねない。

     そうなれば、世界経済に深刻な影響を及ぼす。中国で組み立てた製品を米国に輸出する日本企業も多く、日本への打撃も大きい。

     トランプ政権が強気なのは、経済力で中国をしのぐからだ。力勝負の持久戦に持ち込めば、中国が先に音を上げると踏んでいるのだろう。

     強硬路線は、制裁第2弾の応酬のさなか、米中が約3カ月ぶりに再開した貿易協議にも反映された。トランプ大統領は軽視し、めぼしい進展はなかったようだ。

     中国の知的財産権侵害は確かに問題である。だからといって米国が国際ルールに違反する一方的制裁に訴えていいわけではない。力ずくの姿勢を貫けば、中国の不信を招き、かえって問題の解決を遅らせる。

     中国も知的財産権の保護などを約束すべきだ。習近平指導部の威信にかかわる要求はのめないとの姿勢のようだが、現実的判断が必要だ。

     米中両政府は、11月に開かれる国際会議を利用して、首脳会談を行うことを検討している。対話を重ねて摩擦の緩和につなげるべきだ。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 社説 「イッテQ」にやらせ疑惑 うやむやでは済まされぬ
    2. 戦争の愚 風船爆弾に悔い 製造の経験を小説に
    3. 街頭演説 麻生氏「人の税金で大学に」 東大卒市長批判
    4. 騒動 出川哲朗 イッテQ騒動に男気初対応、信頼貫く「頑張ってる」(スポニチ)
    5. 防衛省 自衛官定年延長へ 少子化で応募減 年内に決定

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです