メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

南アフリカ

トランプ氏ツイートに反発 土地改革巡り

南アフリカのラマポーザ大統領=AP
ヨハネスブルクの南約50キロのロウリーにある不法居住区。黒人の低所得者らが不法占拠した空き地に小屋を建てて住んでいる=2018年6月、小泉大士撮影

 【ヨハネスブルク小泉大士】南アフリカのラマポーザ大統領が土地改革を進める方針を示したことについて、トランプ米大統領は22日、「南アの土地収用と農民の大規模な殺害を調査するようポンペオ国務長官に指示した」とツイートした。土地改革はアパルトヘイト(人種隔離)時代の負の遺産を引きずるデリケートな問題で、南ア政府は「植民地支配を思い起こさせる偏狭な認識を断固否定する」と反発している。

     南アの与党アフリカ民族会議(ANC)は1994年の民主化後に土地改革として、少数派の白人が所有する土地を黒人に再分配する政策を始めた。ただ、政府の方針は「売り手と買い手の合意に基づく土地売買」が原則。強制力を伴わないため、実際に所有権を移転できた土地は全体の1割に過ぎない。

     白人の人口比率は全体の8%に過ぎないが、現在も農地の72%を白人農家が所有している。南アの土地問題は、民主化から四半世紀を経過しても深刻な人種間の経済格差を象徴する事例となっている。

     ラマポーザ氏は先月31日、白人農場主らの土地を補償なしに収用することが可能になるよう、憲法条項の改正を進める方針を発表。来年に総選挙を控える中、土地改革の促進を求める与党内の主張を反映したものだが、現時点で強制収用は始まっておらず、具体的な手法も未定だ。

     白人農家に対する襲撃が急増しているという事実もない。南アの農業者団体が5月に発表した報告書によれば、昨年から1年間で47人の農民が殺害されたが、これは過去20年間で最低。その件数も、そもそも良好といえない南ア全体の治安を反映した数字と受け止められている。

     だが、米保守系のFOXニュースは、南アの歴史的な経緯を踏まえずにラマポーザ氏を「人種差別主義者」と決めつけ、トランプ氏はこの報道に反応して「南ア政府は白人農家から土地を奪っている」とも書き込んだ。

     隣国ジンバブエでは白人から土地を強制収用して黒人に無計画に分配した結果、農地が荒廃し経済も崩壊。南アでも「二の舞い」を懸念する声が出ており、ラマポーザ氏は「経済や農業に悪影響を与えないようにする」と強調している。

     連日ツイッターで持論を展開するトランプ氏だが、米メディアによると17年1月の大統領就任以降、自らの投稿に「アフリカ」という言葉を書き込んだのは今回が初めて。現在も多くのアフリカ諸国の米国大使は空席が続くなど「トランプ氏はそもそもアフリカに対する関心がないのでは」(南アの研究者)と受け止められている。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 社説 「イッテQ」にやらせ疑惑 うやむやでは済まされぬ
    2. 戦争の愚 風船爆弾に悔い 製造の経験を小説に
    3. 街頭演説 麻生氏「人の税金で大学に」 東大卒市長批判
    4. 騒動 出川哲朗 イッテQ騒動に男気初対応、信頼貫く「頑張ってる」(スポニチ)
    5. 防衛省 自衛官定年延長へ 少子化で応募減 年内に決定

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです