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社説

日本橋の首都高を地下化 景観と費用のバランスを

 過剰なコストをかけずに「青空」を取り戻す工夫が必要だ。

     東京都中央区にある「日本橋」の上を走る首都高速道路の地下化の概要が決まった。

     現在の高架を撤去し、橋周辺の1・2キロを地下トンネルにする。2020年の東京五輪・パラリンピック後に着工し、完成には10~20年かかる見通しという。

     日本橋は、江戸幕府開府と同時に造られ、東海道や中山道といった五街道の起点となった。現在の石造りの橋は1911年に造られ、国の重要文化財になっている。

     首都高は、64年の東京五輪開催に間に合わせるため、緊急的に建設された。前年に日本橋にかぶさる形で開通している。用地買収のコストを抑えるために川の上に造ったり、多層構造が採用されたりした。

     当時は高度成長期で、交通網の整備が急ピッチで進められていた。都市景観や文化継承といった面が二の次になっていたことは否めない。

     高速道を地下化し周辺の景観を回復するという計画は理解できる。

     ただし、コストが問題だ。

     総事業費は約3200億円になるという。首都高会社が2400億円を、都と区、日本橋周辺の再開発を担う民間事業者が、残りの額を負担することになる。

     当初は5000億円ほどかかるともされていたが、既存の高速トンネルの利用などで工事費を圧縮した。

     だが、付近を走る地下鉄の路線を避けるなど難工事が予想される。都心部の渋滞解消のため、近くの高速高架を改修する計画もあるが、その費用は含まれていない。

     事業費の膨張を防ぐための、さらなるアイデアが必要だ。

     日本橋周辺の水のある景観を、再開発でどのように整備していくのかも具体的に説明すべきだ。

     米国・ボストンは市内の高速道を地下化して地上部に公園を設けるなど、都市機能を再生させている。

     むやみな高層化を避けるなど、十分に配慮したい。景観回復による経済効果が大きければ、400億円とされる民間業者の費用負担額の見直しも考えるべきではないか。

     利便性と都市景観の調和をどう考えていくのか。首都高の整備を、そのきっかけと捉えたい。

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