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太地町

反捕鯨活動家が減少 イルカ漁9月1日解禁

臨時交番が設置された和歌山県太地町畠尻湾=2015年11月28日、本社ヘリから森園道子撮影

 「古式捕鯨」発祥の地とされ、イルカ漁を巡って妨害活動にさらされてきた和歌山県太地町で、来町する反捕鯨団体の活動家が減っている。ピークの2013年度には町内で200人が確認されたが、17年度は50人となり、地域は一見、平穏を取り戻しつつあるように見える。ただ、トラブルへの懸念は完全には払拭(ふっしょく)されておらず、9月1日の漁解禁を控え、県警や地元機関は警戒に本腰を入れる。【黒川晋史】

 反捕鯨団体の活動が活発化したのは、漁を隠し撮りした米映画「ザ・コーヴ」が2010年に上映されたのがきっかけだった。入り江に音でイルカを追い込む伝統漁法を批判的に描いた内容で論議を呼んだ。

 県警によると、現地で確認された活動家の数は09年度まで毎年ほぼ2桁台で推移していたが、10年度は150人に急増、その後も増加傾向をたどった。撮影などを巡るトラブルが相次ぎ、12年には捕鯨の様子を表した銅像を壊したとして反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)に関係するドイツ国籍の活動家が逮捕された。

 その後、活動家の数は13年度を境に減少に転じた。法務省がSSのリーダー格の入国を拒否したことや、SSがメンバーを町内に派遣しなくなったためとみられる。県警は「活動家の大部分を占めたSSのメンバーが来なくなったことは大きい」と説明する。

 一方、太地町漁協によると、敷地内での違法な動画撮影は減ったものの、活動家が公道から港を撮影するケースは今もある。組合職員は「やめてほしいが、『風景を撮っているんです』と言われれば、それ以上何も注意できない」と頭を悩ませる。かつてより減ったものの、嫌がらせのファクスが漁協の関連先に届く。漁の中止を求める内容や、「南無阿弥陀仏」と記した嫌がらせとみられる文書もあるという。

 町の担当者は、こうした状況を憂慮しつつ、「合法的な漁で生活する漁師の権利は守りたい。しかし、法に触れない抗議活動であれば、こちらからは何もできない」と複雑な心境を明かす。

 県警は、漁が行われる同町畠尻湾前に今月21日、臨時交番を設置した。活動家による違法行為がないかどうか町内を巡回し、私服警官が情報収集にも努める。県警公安課の伊藤広貴・テロ対策官は「臨時交番は11年度から毎年設置しており、来年度以降も変えるつもりはない。反捕鯨団体の動向を注視して警備を続ける」と話す。

 追い込み漁は来年3月末まで続く予定だ。

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