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イタリア

EUに「揺さぶり」難民拒み、受け入れ分担迫る

イタリアのサルビーニ内相=ロイター
イタリア沿岸警備隊の船上に留め置かれた後、ようやく南部シチリア島の港に上陸を許された移民・難民ら=26日、ロイター

 【パリ賀有勇】イタリアで誕生してまもなく3カ月を迎える右派・ポピュリズム(大衆迎合主義)の連立政権が、欧州を目指して地中海を渡ってくる移民・難民を「交渉材料」に、欧州連合(EU)加盟国に移民らの受け入れの分担を迫るなどの「揺さぶり」を続けている。この手法に対し、国内外から批判の声が上がるほか、職権乱用などの疑いもあるとして、主導する内相を検察が捜査対象とするなど混乱が広がっている。

     南部シチリア島の港では26日未明、北アフリカ・リビア沖で10日前に救助された移民・難民約150人がようやく上陸した。強硬な移民・難民政策を掲げるサルビーニ伊内相が上陸を認めず、EU加盟国への分担受け入れを要求。アイルランドなどが受け入れ方針を示すまで、救助されたイタリア沿岸警備隊の船上に留め置かれていた。

     サルビーニ氏の交渉手法を巡っては、「人質戦術」(伊作家ロベルト・サビアーノ氏)や「国辱」(ジェンティローニ前伊首相)と国内からも批判が上がる。

     25日には、シチリア島の検察当局が、職権乱用や不当な身柄拘束などの疑いでサルビーニ氏に対する捜査に着手したが、サルビーニ氏は「国民の権利を守ろうとして捜査を受けるとは残念」と述べ、今後も対応は変えない方針を示している。

     6月に発足した連立政権は、これまでも難民救助を行うNGO船の入港を拒否。EUは6月末の首脳会議で対応を協議したが、イタリアが求めていた、域内の最初の到着国で難民受け入れ審査を行うと定めたEUの基本ルールの抜本的見直しについての結論は先送りされた。

     今回シチリア島に上陸した移民らを巡っては、連立政権の一翼を担うポピュリズム政党「五つ星運動」の代表を務めるディマイオ副首相が、加盟国の分担受け入れがない場合は、EUへの拠出金の停止に踏み込む可能性まで言及。ANSA通信によると、EUの欧州委員会のウィンタースタイン報道官は「脅しは解決策を遠のけるだけ」と不快感を示している。

     サルビーニ氏は、北部ジェノバで計43人が犠牲となった14日の橋の崩落事故を巡っても、「(EUの)基準を守ることが国民の安全よりも重要なのか」と発言。財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以下に抑えるよう加盟国に求めるEUの財政基準の順守によって、インフラ整備・補修が遅れたと言わんばかりの主張に、欧州委員会は「2014~20年にイタリアがEUの基金から受け取る高速道路や鉄道への投資額は25億ユーロ(約3200億円)。イタリアは最も(EUの)恩恵を受けている加盟国の一つだ」と反論した。

     サルビーニ氏が代表を務める右派政党「同盟」は3月の総選挙時から政党支持率が10ポイント以上も上昇し、「五つ星」と共に約30%と高水準にある。

     だが、高い支持率を背景とした際どい戦術が、他の加盟国の協力を引き出せるとは限らない。今回、イタリアの求めに応じたEU加盟国はアイルランドだけで、他に受け入れを申し出たのはEU非加盟国のアルバニアとイタリアのカトリック教会だった。

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