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福岡・上毛

被爆地の中間で「廃絶」叫ぶ 第3の発信地に

被爆樹木の植樹が計画されている「大池公園」。東岸(左側)が「広島ゾーン」、西岸(右側)が「長崎ゾーン」=福岡県上毛町で2018年8月17日、津島史人撮影
福岡県上毛町

 福岡県上毛(こうげ)町は、広島市と、長崎市の原爆爆心地を直線で結んだちょうど中間地点(ともに直線で約150キロ)にある。このことに気づいた広島の被爆者から「核廃絶に向けた第3の発信拠点になってほしい」と求められたのを機に、町は原爆で焼かれても再び芽吹いたクスノキなど被爆樹木の苗を植樹することを決めた。来年8月の植樹をスタートに「核なき世界」へ向けたメッセージの発信を目指す。

     町に植樹を要請したのは、広島市西区の建築家、錦織亮雄(にしきおり・あきお)さん(80)。7歳で広島で被爆し、当時13歳の姉と70代の曽祖母を亡くした。戦後、平和への思いを訴えてきたが、「被爆地以外では『核廃絶の声を上げにくい』と思われている」と感じてきた。

     そこで、新たな発信拠点として中間地点にある上毛町に着目。今年4月、坪根秀介町長に植樹を要請し、錦織さんが実行委員長を務める広島東南ロータリークラブ(RC)の設立60周年事業の一環として苗集めなどで協力することを伝えた。

     町が両被爆地の中間点であることは、坪根町長にとって「全く初耳」。戸惑いもあったが、錦織さんの熱意に打たれて受け入れを決めた。坪根町長はその後、広島、長崎で被爆者の体験を聞くなどし、7月には広島市の松井一実市長、長崎市の田上富久市長からも植樹への賛同を得た。

     町の構想によると、植樹は町内の観光施設「大池公園」で来年8月に実施。公園にある池の東側を「広島ゾーン」、対岸の西側を「長崎ゾーン」とし、73年前の原爆で爆風や熱線を受けながらも生き延びた被爆樹木の苗を、広島市や長崎市、上毛町の子供たちが植える。広島東南RCに加え、長崎南RCも植樹に協力する。

     坪根町長は「町としてできることを行い、恒久平和に向けた思いを世界へ、未来へつなげていきたい」と話す。錦織さんは「被爆地を結ぶ新たな懸け橋として、世界に向けて発信を続けてほしい」と町の取り組みに期待する。【津島史人】

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