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東京都内

自動運転タクシー実証実験 実用化へ期待と課題

世界初の公道営業実証実験自動運転タクシーにスマートフォンをかざして乗車する一般公募で選ばれた親子=東京都千代田区で2018年8月27日、玉城達郎撮影

 東京都内で27日、自動運転車両を用いたタクシーの実証実験が始まった。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の実用化を見据え、各地で自動運転バスやタクシーの実証実験が活発化しているが、事故の責任を巡る法整備など課題も多い。

     タクシー大手の日の丸交通と、ロボットベンチャーのZMPが、東京都などの協力を得て実証実験を開始。初日の27日は、あらかじめ決められた大手町-六本木間の約5.3キロのコースを3往復し、公募で当選した乗客が利用した。料金は片道1500円。実際に客から運賃を徴収する自動運転タクシーの営業走行は世界で初めてという。

     車両には安全のため運転手と技術者が同乗したが、アクセルやハンドル、ブレーキはシステムが操作。車線変更や右左折、停止も自動で行われた。子どもらと乗車した豊島区の自営業男性(45)は、「車線変更なども思ったより自然で、自動運転と感じさせないほどだった」と乗り心地に満足そうだった。実験は9月8日まで。両社は、20年までの実用化を目指す。

     政府は「東京五輪・パラリンピックのある20年に、東京には自動運転車が走り回っている」(安倍晋三首相)として、無人自動運転バスやタクシーのサービスを実現する目標を掲げている。今年3月には、日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)が横浜市でタクシーの走行実験を実施。11月には、ソフトバンクグループのSBドライブと神奈川中央交通が、東京都多摩市で自動運転バスの実証実験を行う予定など、20年の実用化を見据えた動きが加速し始めている。

     タクシー業界にとっては、深刻な人手不足の解消策として自動運転に対する期待が高い。完全自動運転技術が確立すれば、さまざまな業種がタクシーやバス事業に参入する可能性もあり、既存のタクシー会社は自動運転サービスの開発で主導権を握りたいという思惑もある。

     だが、実用化までにはクリアすべき課題も多い。事故の際の損害賠償責任を車の所有者とメーカーのどちらが負うかなど、法制面の整備は政府内の議論が始まったばかりだ。自動運転は位置情報や走行状態の膨大なデータをインターネットを通じてやり取りするため、サイバー攻撃への防御も大きな課題だ。

     日の丸交通の富田和孝社長は27日、「国には適切な法改正をしてもらわないと(20年の実用化の)実現は不可能だ」と指摘。同社の実証実験に補助金を支出する東京都の担当者も「法整備は時間との闘いだ」との認識を示した。【松本尚也】

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