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カトリック

ローマ法王苦境 「性的虐待知りながら放置」

カトリック教会の聖職者による性的虐待を巡る一連の出来事

 【パリ賀有勇】世界12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つフランシスコ・ローマ法王が難しい立場に置かれている。今月、米国でカトリックの聖職者による大規模な性的虐待と隠蔽(いんぺい)が長年にわたって行われたことが発覚し、さらには、虐待疑惑を法王に報告していたにもかかわらず措置が講じられなかったとバチカン(ローマ法王庁)の元駐米大使がメディアに告発する事態となったためだ。

 米東部ペンシルベニア州の司法当局は14日、同州のカトリック教会の聖職者約300人が70年間にわたり子供に性的虐待をし、組織的に隠蔽していたとする報告書を公表した。報告書では、7歳の少女が手術後に病院で性的暴行を受けた例や、1歳半から18歳までの5人姉妹が虐待された例などが明らかにされた。

 バチカンは「おぞましい犯罪」と非難したものの、26日にはバチカン駐米大使だったカルロ・ビガノ氏(77)が書面を通じて、2013年に虐待疑惑を法王に報告していたと一部メディアに告発。書面で法王の辞任を求めた。

 法王は25~26日、ダブリンで開かれたカトリック教会の「世界家族会議」に出席するためアイルランドを訪問。25日にダブリンで聖職者による性的虐待の被害者8人と面会したほか、26日に行ったミサで「教会が被害者に寄り添わず、正義と真実を追求して具体的行動を起こすことを怠ったことに対して許しを請いたい」と一連の性的虐待問題を謝罪した。アイルランドも虐待問題の例外ではなく、1990年代以降、聖職者による虐待と隠蔽工作が発覚したことで教会の権威が失墜した経緯がある。

 しかし、AFP通信によると、法王訪問中のダブリンでは虐待の被害者などを含む約5000人が参加した抗議デモが行われ、参加者らは「法王は小児性愛者を守っている」「被害者に必要なのは祈りではない」などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。法王は26日、帰路の機中で「(ビガノ氏の告発)書面については何もコメントはしない」と述べるにとどめた。

 一方、伊テレビ「TGCOM24」は、法王の辞任を望む聖職者グループがビガノ氏の背後に存在すると指摘。カトリック教会がタブー視してきた離婚や同性愛などについて「現代社会の実態に合わせた柔軟性も必要」との立場で知られるフランシスコ法王に対して「保守的な法王の誕生を見据えた動きだ」と分析している。

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