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日田彦山線BRT化

復旧難しい赤字路線 自治体反発か

九州北部豪雨による土砂崩れで線路がふさがれたJR日田彦山線の大行司駅付近=福岡県東峰村で2017年7月9日、本社ヘリから田鍋公也撮影

 2017年の九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線の不通区間で、JR九州がバス高速輸送システム(BRT)導入の検討に入ったのは、運営コストを抑えることで赤字路線の解消を図る狙いがある。JR九州は沿線自治体と鉄道での復旧に向けた協議を進めているが、費用負担を巡って両者の主張には隔たりがある。復旧の具体策を決める上では、地元の理解を得られるかが鍵を握りそうだ。

 「ローカル線の設備維持にあまりに金がかかっている。交通ネットワークの維持を考えれば、輸送モード(手段)の変更は案としてある」。青柳俊彦社長は27日の記者会見で、鉄道以外での復旧の可能性に言及した。背景には、現状で収入の10倍近い維持管理コストがかかり、今後も人口減少で収益構造の改善が期待できない事情がある。

 現在不通になっている区間(添田-夜明間の29.2キロ)は被災前の16年度、運賃などの収入が2800万円だった。一方で人件費(7200万円)や設備管理費(1億5700万円)などがかさみ、2億6600万円の赤字だった。輸送密度(1日1キロ当たりの平均利用者数)は131人で、この30年間で約5分の1に減少。かつては炭鉱地域の足としてにぎわったが、人口減少で構造的な赤字体質が続いている。

 このためJR九州は復旧費を沿線自治体が負担することに加え、線路などの鉄道設備も自治体側が買い取るよう主張。設備管理の負担を軽減しながらJR側が運営を担う「上下分離方式」を選択肢として示した。自治体側は通勤や通学に便利で、観光客も呼び込みやすい鉄道での復旧を強く要望しているものの、大幅な費用負担には反発している。大分県の広瀬勝貞知事は「議論するつもりはない」、福岡県の小川洋知事も「考えていない」といずれも不快感を示した。

 青柳社長は27日の会見で「話が進まなければ、地元が『鉄道は難しい』と言っているという認識だ。その時には鉄道以外を提案することになる」と説明。代替策として鉄道よりもコストが抑えられるBRTの導入を検討している。ただ、「鉄道より利便性が低下する」「地域の衰退につながる」など自治体の反発を招くのは必至だ。

 JR九州と自治体は今年度末までに復旧工事に着手することを目指し、対応を協議中。しかし、BRT案も含めて調整が難航すれば、復旧作業が長期化し、地域住民らに悪影響を及ぼす恐れがある。【浅川大樹、西嶋正法】

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