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防衛白書

中国の実戦能力向上に強い警戒感

 政府は28日の閣議で2018年版「防衛白書」を了承し、北朝鮮の核・ミサイルの脅威と並んで、中国の実戦能力の向上に強い警戒感を表した。「世界一流の軍隊」(習近平国家主席)を目指す中国の公表国防費は過去10年間で約2.7倍に増加。海空戦力や宇宙、サイバー分野の能力向上を急速に進め、太平洋や日本海での活動も拡大している。

 「中国の急速な軍事力の近代化、運用能力の向上、わが国周辺での活動の一方的なエスカレートなどは、地域や国際社会の安全保障上の強い懸念になっている」。小野寺五典防衛相は28日の記者会見で警戒感をあらわにした。

 中国の18年度の国防予算は約1兆1070億元(約18兆円)で日本の約3.5倍。装備品輸入費や研究開発費などは除外されているとみられる。艦艇(自衛隊135隻、中国軍750隻)や作戦機(自衛隊約400機、中国軍約2850機)は「量」だけでなく、空母やステルス戦闘機「殲(せん)20」の配備など「質」も急速に向上。対衛星兵器の開発やサイバー攻撃能力強化など日本政府が重視する宇宙・サイバー分野では中国が先行している。

 日本周辺でも中国軍艦はさまざまな海峡を通過して太平洋や日本海に進出。宮古海峡を抜けて太平洋に飛んだ中国軍機は昨年18回(16年は5回)確認された。白書は「より遠方の海域での作戦遂行能力の構築を目指している」と指摘。中国軍はインド洋や南シナ海など海上交通路の防衛を通じて、経済圏構想「一帯一路」の「後ろ盾を担っている可能性」もあると分析した。

 一方、北朝鮮の軍事活動について、白書は「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」だと改めて警鐘を鳴らした。今年6月に米朝首脳会談が開かれ融和ムードが広がるが、北朝鮮の核・ミサイル廃棄に向けた具体的な進展は乏しい。弾道ミサイル発射は16~17年に計29回40発に及び、長射程化や移動式発射台の運用能力向上が進んだ。米国本土を射程に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)に必要な弾頭の大気圏内への再突入技術については「慎重な分析が必要だ」と懐疑的な見方を示したが、核兵器の小型化が実現した可能性に言及し、懸念を示した。

 ロシアの北方領土や千島列島での軍事活動の拡大を「注目する必要がある」と指摘。昨年と今年に相次いだ自衛隊の日報問題も取り上げ、文書管理や情報公開が「自衛隊の責務だ」と記した。【秋山信一】

2018年版「防衛白書」の骨子

・北朝鮮の核・ミサイル開発はこれまでにない重大かつ差し迫った脅威

・米朝首脳会談後も北朝鮮の脅威の認識は変わらず

・中国は海洋で力を背景にした現状変更の試みなど高圧的な対応を継続

・北方領土や千島列島で活発化するロシア軍の動向を注視

・宇宙やサイバー空間など新たな領域の能力向上を本格化

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