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仏政権

「孤独だった」と吐露 目玉閣僚のユロ環境相辞意

 【パリ賀有勇】フランスのマクロン政権の「目玉閣僚」であり、著名な環境活動家として知られるニコラ・ユロ環境相が28日、仏ラジオで辞意を表明した。地球温暖化対策で主導的役割を果たそうとするフランスのマクロン大統領にとって痛手となりそうだ。

     ユロ氏は地球温暖化対策や生物多様性保護の大切さを訴えてきた。しかし、この日のラジオでは、環境問題が政権の俎上(そじょう)に載ると「孤独だった」と心情を吐露。「私が政権にいることで、問題に対処できているという幻想を抱かせたくない」と語り、政府の取り組みに不満を漏らした。

     ユロ氏は、環境ドキュメンタリー番組のキャスターとして人気を博した。シラク、サルコジの両元大統領らから秋波を送られても入閣を固辞したが、2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では、オランド大統領(当時)の特使として地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の採択に向けて奔走した。

     17年春の仏大統領選では、マクロン氏を「『環境』や『持続可能』などの言葉が公約に見当たらない」と批判し、第1回投票では別候補に票を投じた。その後、投資銀行出身のエリートで「企業寄り」と評されるマクロン氏の要請に応じ、入閣を果たした。ユロ氏は、ガソリンやディーゼル燃料車の将来的な販売中止方針とともに、野生動物の保護区の拡大や農薬の規制を強化する生物多様性保護計画を打ち出した。

     一方で、政策を巡る政権内での衝突は絶えなかったと言われる。原子力発電所の削減目標の先送りも迫られたほか、欧州最多120万人のハンターを擁する「狩猟ロビー」への配慮から狩猟免許の取得費用を半減するマクロン氏の方針を巡っても対立があった。

     期待値が大きかっただけに環境活動家からも「野心に欠ける」と言われ、動物保護活動家である仏女優ブリジット・バルドーさん(83)に「臆病者」と批判された。

     フランスは20年の国際自然保護連合(IUCN)世界自然保護会議のホスト国を務める。地球温暖化対策に加え、生物多様性の保護でも国際社会で主導的役割を担う試みは、旗振り役を失うこととなった。

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