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トランプ氏

対パレスチナ圧力強化 和平交渉仲介が狙いか

トランプ米大統領=高本耕太撮影

 【エルサレム高橋宗男】米トランプ政権がパレスチナに対する圧力を強めている。今月24日には国務省高官が「米国の国益に沿うか見直した」と述べ、パレスチナ自治政府向けの2億ドル(約222億円)の支援撤回を表明した。米政府がテロ組織と認定するイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザを実効支配していることも考慮したという。イスラエルとの和平交渉で米国の仲介を拒絶するパレスチナ側に受け入れを迫る狙いがありそうだ。

 パレスチナ解放機構(PLO)幹部のアシュラウィ氏は米政権が「卑劣な脅しを政治的手段として使っている」と声明で非難。「パレスチナ人や指導部はひるむことも屈することもない」と反発した。

 今回の発表は、トランプ政権による対パレスチナ圧力の第3弾だ。昨年12月にエルサレムをイスラエルの首都と認定し、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると発表したのが第1弾。東エルサレムを将来の独立国家の首都と想定するパレスチナ側は猛反発し、米国を和平仲介者として認めないと強調した。

 パレスチナ側の反発を踏まえ、トランプ政権は第2弾として今年1月、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に対する2018年の拠出金1億2500万ドル(約138億円)の半額以上に当たる6500万ドル(約72億円)の支払いを凍結した。

 UNRWAは、ヨルダン川西岸やガザ地区のパレスチナ自治区の他、ヨルダンやレバノンなどに逃れたパレスチナ難民やその子孫約590万人に教育や保健、食料支援などを実施している。米国による拠出が予算の3割を占めていただけに影響は甚大だ。

 特に心配されるのが教育支援。UNRWAはパレスチナ自治区やヨルダン、レバノンで711の学校を運営し、52万6000人の児童・生徒が通う。パレスチナ自治区のUNRWA運営校では29日に新学期が始まったが、UNRWAのクレヘンビュール事務局長はAP通信に「運営資金は9月末で枯渇してしまう」と訴え、国際社会に支援を呼びかけた。

 米国による強い圧力は、和平仲介の受け入れをパレスチナ側に迫るだけでなく、作成中とされる和平案がパレスチナ側に極めて不利な内容であることをうかがわせるものだ。

 イスラエルニューステレビは25日、米政権が9月上旬にもUNRWAが約590万人としているパレスチナ難民数を10分の1以下の約50万人と推計する方針だと伝えた。難民の地位が次世代に引き継がれることに異議を唱え、過去の和平交渉で高いハードルとなってきた難民の「帰還権」の問題を解消する狙いがあるとしている。米政権が実際に発表すれば、パレスチナ側がさらに態度を硬化させることは必至だ。

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