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アスベスト訴訟

国と企業に賠償命令 控訴審大阪高裁判決

 建設作業中にアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして、京都府内の元建設作業員や遺族ら計27人が、国と建材メーカーに約9億6000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、大阪高裁であった。田川直之裁判長は1審・京都地裁判決(2016年1月)に続いて国とメーカーの責任を認め、計約3億円の支払いを命じた。

     「一人親方」と呼ばれる個人事業主への国の責任も新たに認め、原告全員を救済。同種訴訟15件のうち、国とメーカーの責任に加え、一人親方に対する責任も全て認められたのは初めて。

     判決は、国が27人に計約1億8800万円、メーカー10社が24人に計約1億1300万円を支払うよう命令。1審より計約8500万円、増額された。

     田川裁判長は、国とメーカーが1970年代初めには、石綿を含む建材を使うことで肺がんなどが発症することを予見できたと指摘。国は、吹き付け作業は72年10月▽屋内での切断作業は74年1月▽屋外作業は2002年1月--以降にそれぞれ、防じんマスクの着用などを義務付けるべきだったとした。

     メーカーも国とほぼ同時期に、石綿の危険性や対策を製品に警告表示すべきだったと判断。おおむね20~25%の市場シェアを持つメーカーの建材であれば、労働者が使用した可能性が高いとし、ニチアスやクボタなど10社の責任を認めた。

     また、労働関係法令上の「労働者」に当たらないとして救済されてこなかった一人親方について、「労働安全衛生法令の規定には一人親方の安全を図る趣旨もあると理解される」と判断し、賠償の対象に加えた。

     村山晃・弁護団長は「一人親方への責任が認められたのは大きな前進。全国の訴訟に影響を与える、全面勝訴の判決だ」と話した。 一方、厚生労働省石綿対策室は「国の主張が一部認められなかった。判決内容を精査して対応を検討する」とのコメントを出した。【戸上文恵】

    判決の骨子

    ・石綿吹き付け作業について、国が1972年10月以降にマスクの着用を義務付けるなどの規制を行わなかったのは違法

    ・建材メーカーは、石綿の危険性や対策を製品に警告表示する義務に違反した

    ・労働安全衛生法などの規定は、一人親方についても安全を図る趣旨と理解できる

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