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嫡出否認合憲判断

女性会見「最高裁で救済勝ち取りたい」

 生まれた子との親子関係を否定する「嫡出否認」の権利を夫にだけ認めた民法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、神戸市内の女性らが国に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は30日、訴えを退けた1審・神戸地裁判決を支持し、女性側の控訴を棄却した。判決後に記者会見した女性は「合憲の判断は非常に残念」と話したが、「同じ境遇で苦しむ人たちが救済されるような判決を最高裁で勝ち取りたい」と言葉に力を込めた。

     女性の娘や孫は長期間にわたって戸籍がなく、就学時の通知を受けられなかったり、パスポートも取得できなかったりした。

     女性がこの問題と向き合ってから30年以上が過ぎ、ようやく制度改正に向けた動きが出てきた。女性は「娘と孫の人権が置き去りにされてきたことに怒りを感じる。国はこの問題にしっかり目を向けてほしい」と訴えた。【遠藤浩二、反橋希美】

    嫡出推定・否認規定、無戸籍問題の一因に

     明治時代の民法から引き継がれている嫡出推定・否認の規定は、無戸籍問題の一因になっており、国は見直しの検討を始めた。

     法務省によると、戸籍に記載のない無戸籍者は、判明しているだけで全国に715人(10日現在)。「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子」「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする嫡出推定制度が原因となっているのが、うち約75%を占める。

     戸籍を得るには、嫡出否認などの訴えを起こして嫡出推定を覆す必要があるが、妻には否認権がない。夫の暴力から逃げて別居している場合などは、否認の手続きを依頼するのも困難だ。

     上川陽子法相は今年7月、規定の見直しを検討する意向を表明。法務省は10月にも、法改正を検討する有識者研究会を発足させる。一方、嫡出推定がないと父親が定まらず、子どもの法的身分が安定しない恐れがあるという異論も根強い。

     早稲田大の棚村政行教授(家族法)によると、米国やドイツ、英国などは妻子にも否認権があり、韓国も近年、妻に認める法改正をした。棚村教授は「日本は諸外国から取り残されている」と指摘。「否認権を拡大する法改正に向けて議論を進めるべきだ」と話した。【遠藤浩二】

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