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アジア大会

ボランティア有償も「お金に代え難い価値」

 毎日新聞社とインドネシアの最有力紙「コンパス」は、ジャカルタ・アジア大会において記事を交換した。コンパスからは大会で活躍するインドネシアのボランティアの人々に対する期待が寄稿された。毎日新聞社はコンパス社に東京本社運動部で現地取材班キャップの小林悠太記者が「アジア大会への期待」と題した記事を提供した。コンパスはインドネシアで1965年に創刊した。毎日新聞社は2014年からコンパス社と編集やデジタルメディアを含む包括提携を結び、ジャカルタ「絆」駅伝を共催している。

    「使命は偏見覆すこと」

     本来の職場を2週間ほど離れた者もいれば、家族とともに競技会場近くに移り住んだ者もいる。彼らは旅行者ではない。ジャカルタ・アジア大会のボランティアだ。

     28歳のカスムリさんは、以前は西ジャワ州ブカシの社会教育施設で数学教師として働いていた。昨年10月の最初の選考では落選。2回目の選考を突破し、大会組織委員会の輸送部門の調整役に抜てきされた。カスムリさんの役割は、選手村で選手たちをバスに乗せ、時間通りに出発させることだ。ボランティア活動は自発的で献身的なもの。「お金には代え難い価値がある」と話す。ジャカルタ北部に小さな部屋を借りて暮らしている。

     アリエシタさんはエネルギー部門の事務所で慌ただしく働く。彼女は1975年生まれの石油プラントの技術者。彼女も組織委の国際関係や外交上の儀礼に関わる部門のボランティアで、VIPに同行する。「私の使命は発展途上国、テロの温床などといったインドネシアに対する偏見を覆すことです」と話す。会社にはボランティアに専念できるよう要望している。

     ベガさんは西ジャワ州から子どもを連れて、両親の暮らすジャカルタ南部にやってきた。ボランティアを希望したのは、自然な流れだった。ベガさんはバドミントンのダブルスの元選手。「選手時代にアジア大会に参加したが、ボランティアでも関わることができる」。スポーツ関連部門でグループリーダーを務めている。

     3人は、大会に関わることは人生の大きな機会だと感じている。彼らはインドネシアが62年以来となるアジア大会の開催国に再びなるとは想像もしていなかった。組織委によると、アジア大会期間中、ボランティアは31部門の仕事のうち、22部門を支える。ボランティアの雇用には三つの手続きがある。一つ目がインターネット。18歳から40歳までの約2万3000人がオンライン登録した。外国人も400人近くいた。続いて書類選考が行われ、最後に心理テストや面接が行われる。1万人を超える地元住民のほか、外国人約30人、陸軍や警察からも約860人が選ばれた。選ばれた人々は特別な訓練を受け、エチケットや観光、文化的な多様性などさまざまなことを学んだ。

     組織委の採用担当者は、金銭志向の価値観を変えることの重要性を強調する。組織委が「給与」の言葉を使わず「手当」と表現するのもこのためだ。金額は1日あたり食費と交通費を合わせて計30万ルピア(約2300円)。ユニホームや靴、バッグ、帽子など一式が支給される。彼らが親善大使としてインドネシアの評判を高め、自立させる存在になってくれることを願っている。

    【インキ・リナルディ記者、訳・田原和宏】

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