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社説

災害列島の住民として 命守る構えを日ごろから

 きょうは防災の日だ。

     200人以上が犠牲になった7月の西日本豪雨では、「数十年に1度」の大雨への警戒を呼びかける特別警報が11府県に出された。だが、避難に結びつかなかった例が各地で見られ、被害は拡大した。

     雨の降り方が近年変化し、局地的、短時間の豪雨が増えている。

     1時間に50ミリ以上の雨量を記録した頻度は、アメダス(地域気象観測システム)1000地点当たり、1976~85年は年平均174回だった。ところが、2008~17年平均では年238回と約1・4倍になった。マンホールから水が噴き出すほどの雨量だ。地球温暖化の影響とみられる。この傾向は続くだろう。

     異常気象時代の水害にどう備えるのか。防災上の重要課題にもかかわらず、社会全体の危機感は薄い。

     東京や大阪など大都市は、多くの海抜ゼロメートル地帯を抱える。コンクリートで覆われた都市部は水が中小河川などに一気に流れ込み、局地的な豪雨があれば、あっという間に洪水が発生する危険がある。

     心配なのは水害だけではない。南海トラフの巨大地震や首都直下地震への備えは喫緊の課題だ。人的被害をいかに減らすかだけでなく、いったん発生した場合、社会や経済への影響を最小化する手立ても十分に議論しておく必要がある。

     国土の変化に富んだ日本は火山活動も活発だ。鹿児島県・口永良部島で先月、火山性地震が相次いだが、火山災害への備えも重要だ。

     気象分野における技術の進歩はめざましい。一人一人が最新の気象情報への感度を上げたい。その上で、それをどう避難に結びつけるか。そこが最も問われる。

     災害時、最後に命を守るのは「自助」だ。だが、西日本豪雨では、高齢者ら自力避難が困難な人の犠牲が目立った。

     「共助」、つまり身近な近隣住民同士の協力に改めて目を向けなければならない。地域防災力の強化である。自治会単位で独自に雨量計を設置したり、ハザードマップを基に避難訓練を実施したりといった取り組みが既に各地で行われている。

     危険が迫ってからの対応では遅い。災害列島の住民として、日ごろの備えに努め、減災につなげたい。

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