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アジア大会

酒類禁止、礼拝所設置……イスラム教徒に配慮

ホッケー会場に設置されたイスラム教徒向けの礼拝所。手前は試合後に引き揚げるパキスタンの選手=ジャカルタで2018年8月30日、宮間俊樹撮影

 【ジャカルタ武内彩】世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシアで開かれているジャカルタ・アジア大会では、イスラム教徒の各国・地域選手団やボランティアに配慮した大会運営が目を引く。選手村へのアルコール類の持ち込みも禁止されているほか、各競技場には礼拝所が併設され、選手やボランティアに歓迎されている。

 「選手はアジア大会に旅行に来ているわけじゃないし、アルコールフリーはインドネシアの伝統や習慣にも合っている」。選手村運営を担当する大会組織委員会のハリー・ワルガネガラ氏は、こう説明する。選手村では、イスラム教徒以外の選手もアルコール類は持ち込めず、ビール会社は大会公式スポンサーにもなれなかった。

 国際オリンピック委員会の規則によると、五輪の選手村はアルコール類の販売や共有スペースでの飲酒は禁じられているが、個人の部屋での飲酒は認めている。柔道の試合を終えたフィリピン選手団は「普段は試合後にリラックスするためにビールを飲むんだけど、今回は我慢するよ」と少し残念そうだった。

 イスラム教の祝祭「犠牲祭」だった8月22日にも午前7時からの礼拝に合わせて競技の開始時間が変更された。スマトラ島南部パレンバンの会場で行われたセパタクローとボウリングは午前9時の開始予定だったが、選手が間に合わない可能性があり、1時間遅らせた。

 主会場となるブンカルノ競技場には礼拝所が4カ所もあり、モスクまで行かなくてもいつでも礼拝できる。陸上の男子100メートルに出場したインドネシアのラル・ムハンマド・ゾフリ(18)も、レース直後に礼拝所に入った。宗教に関係なく礼拝に利用できる静かな部屋が用意されているほか、選手村や競技場に近いキリスト教の教会も案内して、イスラム教徒以外にも好評だ。

 イスラム教徒で格闘技クラッシュのインドネシア代表コーチのスギリ・ウィジャヤ氏(41)は「これまでタイなどに海外遠征したが礼拝所に困ることがあった。今回は食べ物も気にせず口にできるし、選手にとっても安心して参加できる大会になった」と話す。2020年東京五輪や愛知県と名古屋市で共催する26年アジア大会でも、配慮が求められる。

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