メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RCEP閣僚会合

「年内妥結」声明で採択

RCEPとTPPの枠組み

 【シンガポール赤間清広】シンガポールで開かれていた日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国で構成する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)閣僚会合は31日、年内の実質妥結を目指す共同声明を採択し、閉幕した。7月の閣僚会合では議長が口頭で年内妥結の方針を説明しただけだったが、今回は共同声明に初めて「実質妥結」が明記された。

     世耕弘成経済産業相は閉幕後、記者団に「相当程度の進展があった。(論点が)だいぶ絞られてきた」と述べ、交渉の着実な前進を強調した。一方で「残された論点の隔たりは大きい」とも指摘し、参加国間の利害対立が依然として解消していないことを明かした。

     RCEP参加国は今年11月にも首脳会議を開催する方向。しかし、焦点となっている関税の撤廃などを巡っては参加国間の交渉は難航しており、実質妥結に持ち込めるか予断を許さない。

     日本は米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国による自由貿易圏構想を主導してきた。一方、RCEPにはTPPに参加していない中国やインドなどが含まれる。RCEPが実現すれば、中国などの自由化水準を引き上げることができ、「日本にとっても意義は大きい」(政府関係者)と期待する。

     ただ、TPPに参加していない「大国」の存在は、RCEP交渉を一層、複雑にしている要因でもある。

     日米主導のTPPへの対抗手段としてRCEPを重視してきた中国だが、米国がTPPを離脱したことで政策の優先順位は落ちた。米国との貿易戦争激化で「通商分野の人材をRCEP交渉に割く余裕はない」(関係筋)状況だ。インドは中国の存在を警戒する。高水準の関税撤廃に応じれば、中国に対する巨額の貿易赤字がさらに膨らむ恐れがあるためだ。

     ASEANも一枚岩ではない。シンガポールのリー・シェンロン首相は29日、年内妥結に意欲を示したが、マレーシアのマハティール首相は「(十分に利益があるか)RCEPを調べないといけない」と早期妥結に慎重な姿勢を示す。TPP参加国のオーストラリアなどがRCEPにもTPPに準じるハイレベルの貿易自由化を迫る中、ラオスなど経済発展が遅れた国も含まれるASEANのジレンマは強い。

     RCEP交渉の主要18分野のうち、これまでにまとまったのは「政府調達」など異論が少ない4分野にとどまる。今回の閣僚会合には中国などが担当閣僚の派遣を見送り、主要分野で大きな前進はなかった。「年内妥結」で一致する16カ国だが、各論では足並みの乱れが目立っている。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. ドイツ 首相、長官人事を再協議 支持率急落受け
    2. ORICON NEWS 女優・矢作穂香、夜の新宿で魅せた美しさ 体全体で思いを表現
    3. 会津藩公行列 「ありがとなし…」綾瀬はるかさん手を振り
    4. 核兵器廃絶 吉永小百合さん「核兵器のこと考えて」
    5. 大相撲 「少し自分にご褒美をあげたい」白鵬、笑顔で

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです