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アジア大会

天国の母へ「金」 重量挙げ・北朝鮮選手

重量挙げ・男子69キロ級=オ・ガンチョル(24)=北朝鮮

 北朝鮮国歌が流れる中、表彰台のてっぺんで敬礼しながらの表情は、何かをこらえているようだった。表彰式後、「母の願い、そして祖国の名誉のために最大限の力を発揮できた」と語った。話している最中にこみ上げてきた思いが、涙となってあふれ出た。

     今年に入り、母が他界した。それだけに強い思いを持って臨んだ初のアジア大会だった。これまでシニアの国際大会経験は昨年2位に入ったアジア選手権のみ。同階級は、昨年の世界選手権を制した元正植(ウォン・ジョンシク)=韓国=や、前回の仁川大会銀メダルの同僚キム・ミョンヒョクら実力者ひしめく激戦区だった。

     しかし、運も味方した。キムはスナッチで3本とも成功できずに失格となり、ウォンもジャークを3本とも失敗してトータル記録はなし。一方の自身はスナッチ151キロと出場選手中で唯一の150キロ台を挙げ、トップでジャークに進んだ。

     優勝にぐっと近づく185キロに挑んだジャーク2本目。首の下に一度置いたバーベルを持ち上げる際、足を目いっぱい前後に開き可能な限りバーベルの下に体を潜り込ませたが、同時に不安定な体勢となり左によろけた。だが、執念で踏みとどまった。ブザーが鳴ると、両拳を握り天に向かってほえた。金メダルをほぼ手中にした瞬間だった。

     試合後、母への思いを聞かれて言った。「母の墓前にこの金メダルを持っていき、そして報告したい」。応援してくれた人、そして天国の母へ。国旗を身にまといながら、何度も「ありがとう」と繰り返した。【倉沢仁志】

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