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プラスチック危機

脱プラストロー、主役は17歳 リベラルな米西海岸、企業動く

メタル製のストローを持つオニールさん=米カリフォルニア州で

 プラスチックごみによる環境汚染が世界的な問題になる中、米西海岸で「脱プラスチック製ストロー」の動きが加速している。企業を「脱プラ」の方向に促したのは女子高校生らの声だった。環境保護政策を軽視するトランプ政権下、「国任せにはできない」とばかりに若者や地方自治体が先導する形で、取り組みが活発化している。【サンフランシスコで長野宏美】

     「ストローが海洋汚染の大きな要因になっているのをご存じですか?」

     西部カリフォルニア州サンフランシスコ近郊に住む高校生のシェルビー・オニールさん(17)は昨春以降、そんなメールを飲食店を経営する企業などに送ってプラ製ストローを使わないよう訴えてきた。自宅から太平洋までは約20キロ。ビーチに行くたびにゴミになったストローを目にしていた。「環境を守りたいと思った」

     地球温暖化の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱表明など、自分たちの価値観とは異なるトランプ政権への反発から「若者の心に火がついた」と言う。今年3月、銃規制強化を求めて全米で行われたデモも若者が主体だった。「大人が動かないなら私たちが動く」

     オニールさんが脱プラ製ストローを促すメールを送った約50社のうち、アラスカ航空は今年5月、米航空会社として初めて使用を取りやめると発表し、7月16日から実施した。同社広報担当のボビー・イーガンさんは「廃止の検討はしていたが、彼女の提案が後押しになった」と明かす。

     オニールさんは大手コーヒーチェーン「スターバックス」(本社・西部ワシントン州シアトル)を訪ね、使い捨てプラスチックの問題を話し合った。また、ソーシャルメディアなどで脱プラ製ストローを訴える米国内の環境保護団体「ロンリー・ホエール」とも協力。俳優のレオナルド・ディカプリオさんら有名人の賛同もあって、運動は拡大した。

     機運が高まる中、もともとリベラル派が強く環境保護に熱心な西海岸では自治体などが動いた。シアトル市では7月1日から、飲食店などがプラ製ストローを客に提供することを条例で禁じた。サンフランシスコ市議会は7月31日、プラ製ストロー提供を2019年夏以降禁じる条例案を可決。また、スタバは7月9日、20年までに全世界の店舗でプラ製ストローを廃止すると発表した。

     ロンリー・ホエールのデューン・アイブス事務局長(47)は「スターバックスのような大企業や有名人が動けば世界的な議論につながる。オニールさんは問題解決の扉を開けた」と話す。

     シアトルでフランス料理店を経営するオーナーシェフのティエリー・ロートゥローさん(58)は「(環境問題に熱心でない)トランプ大統領のような人物には期待できないが、自治体や個人の力で、良い変化を起こせる」と話す。客にストローを頼まれたら紙製のものを出しているという。カリフォルニア大学バークリー校のデイビッド・ウーリー客員教授(環境政策)は「脱プラ製ストローの動きは、使い捨てのプラスチックごみを見直す象徴になった」と指摘している。

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